コラム

「集客できるブースデザイン」の秘訣とは?設営ポイントや事例を解説

作成者: 図書印刷株式会社|Jul 14, 2025 4:00:00 AM

展示会でのブースデザインは、集客を左右する大きなポイントです。競合があふれる会場でより多くの来場者に関心を持ってもらうためには、展示内容の工夫だけでなく導線や雰囲気づくりも含めたブースデザインのポイントを押さえる必要があります。この記事では、集客につながるブースデザインのポイントや設営の流れ、具体的な事例など分かりやすく解説します。

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なぜブースデザインが集客に直結するのか

展示会やイベント会場は、多くの人やさまざまな情報であふれています。そのような中で、来場者の興味関心を引き集客につなげるには、第一印象が重要です。「人が多いから出展すれば自然と人が来るだろう」「商品やサービスには自信があるから大丈夫」と考える方もいますが、それでは展示会で十分な成果を上げることはできません。

多くの競合がひしめく会場で、自社のブースに来場者の目が留まるのはほんの一瞬です。その一瞬で興味を引けなければ、ブースに足を立ち寄ってくれることはないでしょう。優れた商品やサービスがあったとしても、まずは足を止めてもらわない限り、その価値を伝える機会すら生まれません。

つまり、目に留まった一瞬の第一印象で興味を引けるかどうかが、集客、ひいては展示会の成功を大きく左右するのです。その第一印象となるのが、ブースの見た目、つまりブースデザインです。

展示会成功のためには、ブースデザインの重要性をしっかり理解し、自社ならではの魅力を最大限に伝えられるデザインを構築していきましょう。

ブース設営の基本的な流れ

ブース設営の基本的な流れは以下の通りです。

  • 出展目的の明確化
  • ターゲットの設定
  • 出展コンセプト設計
  • 展示内容と展示方法を検討
  • デザイン・設計図面の作成
  • 施工・搬入・設営
  • 事後対応・効果測定

出展目的の明確化

出展の目的に応じて、展示する商品やサービス・アプローチの仕方は異なってきます。これらはブースデザインを決定するうえでも重要な要素となるので、まずは出店の目的を明確にしましょう。

また、同時に出展時の目標を立てておくことも重要です。「名刺の獲得数」「商談件数」などの具体的な目標を立てることで、出展後の振り返りや改善につながります。

ターゲットの設定

ターゲットを明確にしておくことで、ターゲットに合わせたブースデザインが可能です。ターゲットを設定する際には、性別や年齢だけでなく職種や趣味・来場目的などを具体的に想定すると、訴求力の高いブースになります。

出展コンセプト設計

展示会では、ブースデザインに加え、キャッチコピーや配布資料、販促物など多様なコンテンツ制作も求められます。コンセプトが明確でなければ統一感を出しにくく、来場者にしっかりとメッセージが伝わりません。出展目的やターゲット、取り扱い商品、自社ならではの提供価値を明確に捉え、出展コンセプトを設計していきましょう。

展示内容と展示方法を検討

ターゲットやコンセプトをもとに、展示内容と方法を検討していきます。さまざまな展示スタイル(商談型・商品展示型・セミナー型・体験型など)があるので、目的や商品に応じて選ぶとよいでしょう。 ブースデザインの種類については後ほど詳しく解説するので参考にしてください。また、小間位置によっても適切なレイアウトは異なってくるので、導線を考慮して展示方法を検討しましょう。

デザイン・設計図面の作成

ブースの具体的なデザインを作成します。外部のブース装飾会社に依頼する場合は、コンセプトや商品の特徴・ターゲットなどをしっかり共有し、デザインを固めていきましょう。あわせて、展示会で配布する資料や販促物・パネル・アンケート用紙など必要になるものの準備も進めます。

施工・搬入・設営

当日に向けてブースの組み立てを行います。機材や資材を搬入しブースを施工したら、装飾や展示を行いましょう。ブース運営に必要な備品は事前にチェックリストを作成し、漏れがないように用意します。

また、販促物など外部に発注している場合は、事前に受け取るのか会場搬入か確認しておきましょう。ブースの設営が完了したら、事前に運営リハーサルを行うことも大切です。人員の配置や案内の仕方などを確認し、当日慌てないように入念に準備をしておきます。

事後対応・効果測定

展示会終了後は、必要に応じてお礼メールや資料送付など来場者へのフォローを行います。また、事前に設定した目標に対しての効果測定・次回の改善策の検討まで行うことが大切です。

集客力を高めるブースデザインのポイント

ブースの集客力を高めるために意識したいブースデザインのポイントとして、以下の6つを紹介します。

  • 視認性を高める
  • 導線設計を工夫する
  • 目を引く仕掛けを導入する
  • 体験型コンテンツを導入する
  • 立ち寄りやすい雰囲気を作る
  • スタッフの配置と動きに配慮する

視認性を高める

多くのブースがある中で、埋もれないためには遠くからでも目を引くデザインが重要です。パッと目を引き、遠くからでもどのような内容か分かりやすいと、関心を引きやすくなります。

ただし、ただ派手にして目立てばいいわけではありません。企業や商品のイメージと合ったキャッチコピーや配色・レイアウトになるよう工夫し、企業の魅力が伝わりつつ目を引くブースを目指しましょう。

導線設計を工夫する

人が自然に入りやすく、さらにブース内で回遊しやすい導線設計にすることも重要です。

たとえば、メインの通路側に入り口を設けるのとそうでないのでは、人の出入りも大きく変わってくるでしょう。ブース内でも、入り口から出口までの流れも自然に流れるように意識します。

商品を時系列で展示する・案内板など視覚的なサポートを導入するなど、出口にスムーズに移動できるように心がけましょう。この際、メインの商品やサービスに自然と来場者の目が向かうような配置であるかも意識することが大切です。

目を引く仕掛けを導入する

来場者の興味を引くような仕掛けを導入することで、関心を引きやすいだけでなく他社との差別化にもつながります。具体的には以下のような仕掛けがあります。

  • 映像や音・香りなど五感を刺激する演出
  • ユニークなディスプレイやシンボリックなオブジェの設置
  • 大画面を使ったデジタル演出
  • フォトスポット

ちょっとしたひと工夫だけでもブースを個性的に演出できるので、検討するとよいでしょう。

体験型コンテンツを導入する

展示物を見るだけではなく、体験を提供することで関心を引きやすくなります。製品のデモやワークショップ・ミニイベントといった体験型コンテンツの導入を検討するのがおすすめです。

体験型コンテンツがあると滞在時間も長くなるので、来場者とのコミュニケーションが取りやすくなります。また、ただ見るよりも記憶にも残りやすいため、認知度の向上や後日の接触機会につながる可能性もあるでしょう。

立ち寄りやすい雰囲気を作る

ブースに足を踏み入れてもらうには、入りやすさも重要です。閉鎖的で中に何があるか分からないと、入るのに抵抗感を抱かれやすくなります。

また、中が見えても狭く雑多であったり暗い印象だったりでは、入る気もわかないものです。反対に、パッと見ただけで展示内容や開放的な様子が分かると気軽に入りやすくなるでしょう。

立ち寄りやすい雰囲気を出すには、入り口側をオープンで開放的なレイアウトにするのも一つの方法です。ブース内も余裕を持たせたレイアウトにすることで窮屈な印象を与えにくく、入りやすくなります。また、ブース内に人がたくさん入っている様子が外からでも分かるようにすると、人が集まるブースとしてさらなる集客にもつながります。

スタッフの配置と動きに配慮する

ブースでは、スタッフも重要なポイントになります。スタッフの数が多すぎると狭さやプレッシャーを感じやすく、反対に少なすぎると対応に不備が出る恐れがあります。来場者への挨拶から商品説明・商談など役割を明確にして、適切な人数をアサインする他、入口に大勢待ち構えることで入りにくく感じさせてしまうといったことのないよう配置することが大切です。

また、スタッフはたんに展示を説明するのではなく円滑なコミュニケーションやアプローチができることも重要です。コミュニケーション力がある人など、適切な人員配置や研修も行うようにしましょう。

ブースデザインの主な種類と設営のポイント

ここでは、主なブースデザインとして以下の4種について詳しく解説します。

  • 商談型
  • 商品展示型
  • セミナー型
  • 体験型

商談型

商談型ブースとは、来場者とじっくり対話できるスペースを重視したブースデザインです。周りを気にせず商談できるように設けられており、ヒアリングやプレゼンをしやすくなります。

商談型ブースでは、目を引きつつも落ちついて商談できる空間を演出することが大切です。椅子やテーブルを配置し余裕のある空間を設け、必要に応じて間仕切りなどで視界を遮るのもよいでしょう。

商談型はある程度知名度があり来場者の見込みがある場合、より効果的です。知名度が低い場合では、背面や壁面などに社名やロゴを装飾し覚えやすくしておくとよいでしょう。

商品展示型

商品をディスプレイする店舗のような展示ブースです。多くの来場者に商品を見てもらいたい場合に適しています。

照明や展示台、POPなどを活用し、印象に残る展示を心がけましょう。また、来場者の導線を考慮し、目立つ部分にメインの商品をディスプレイすることも重要です。

セミナー型

セミナー型はモニターやステージを設け、商品やサービスについての説明会を行う形式のブースです。一度に多くの人に向けて、商品の具体的な使い方やメリットなどを説明できます。

また、モニターやマイクなどの効果や人が集まる様子で関心を引きやすく、さらなる集客につながりやすいのもメリットでしょう。セミナー型のブースを設置する際には、ステージの高さや広さ・来場者の目線を考慮して、商品などが目立つレイアウトにすることが大切です。
セミナーの規模や紹介する商品によって、必要なスペースも広くなる点には注意しましょう。

体験型

来場者に商品やサービスを体験してもらうブースです。実際に商品を試してもらえるので特徴が伝わりやすく、来場者側も商品に対する不安を軽減できるというメリットがあります。

また、体験型は関心を引きやすく滞在時間を長くできるのもメリットです。体験型を設営する際には、気軽に体験してもらえる見せ方の工夫が必要です。「体験できます」「実演中」といったのぼりやアピールを効果的に行い、興味を引くようにしましょう。

集客力のあるブースデザインの事例

ここでは、TOPPANクロレが支援させていただいたブースデザイン実例をいくつか紹介します。

株式会社ノイジークローク様 東京ゲームショウ 2023

比較小規模な小間数での出展ですが、トークショーイベントなどでの来場者との距離感の近さでファンから支持されるブースに仕上がっています。同社はゲームショウに初出展でノウハウがなかった点と当初はスモールスタートをイメージしつつも、今後の展開も含めたブースデザインを検討という点が悩みでした。そのため、スモールスタートプランを含め松竹梅のプランを提案し、比較検討することで納得いくブース内容での運営を実現しています。

カラーキネティクス・ジャパン株式会社様 自治体・公共 Week 2024

LEDライティングの技術をベースとした照明演出のソリューションで高い評価を得ているカラーキネティクスクス・ジャパン株式会社様。これまで自社で展示ブースの設営を行っていましたが、より効果的なブースを演出したいという悩みを抱えていました。

同社のブースでは、黒い壁面によく目に留まる内照式の明るい大型パネルを設置し、照明演出を効果的に伝えることに成功しています。また、今後の展示会出展も視野に入れ、設営・撤去・運搬に便利なブース構造にもなっています。

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魅力的なブースデザインで展示会の成功を目指そう

展示会での集客率を高めるには、来場者の関心を引き自社の魅力を第一印象でアピールできるブースデザインが欠かせません。展示会出展目的やターゲット・コンセプトを踏まえ、レイアウトや導線設計などのポイントを押さえて魅力的なブースを作り上げましょう。

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