【導入事例インタビュー】金の星社、TOPPANクロレの「モニタープルーフシステム」を活用し、 色校正の品質と効率化の両立へ
導入事例
TOPPANクロレ株式会社(本社:東京都北区 代表取締役社長 岡沢宏和 以下、当社)が提供する、パソコンのモニター上で色校正を確認できる「モニタープルーフシステム」を、株式会社金の星社(本社:東京都台東区 代表取締役社長 斎藤健司)様に2026年4月より導入いただいております。
金の星社は創業以来一貫して子どもたちのための本を出版し続けており、イラストや図版などカラーページを多用した書籍の制作では、従来の紙による出校で色校正が行われていました。「モニタープルーフシステム」導入後も、イラストを多く用いた子ども向け実用書を発行、さらにご自身でモニターの色再現を調整いただけるアプリケーション「IllustMatch® (イラストマッチ)※1」も追加で導入いただきました。2026年9月にはオンラインで色校正を行った2作品目が発行されています。
金の星社は創業以来一貫して子どもたちのための本を出版し続けており、イラストや図版などカラーページを多用した書籍の制作では、従来の紙による出校で色校正が行われていました。「モニタープルーフシステム」導入後も、イラストを多く用いた子ども向け実用書を発行、さらにご自身でモニターの色再現を調整いただけるアプリケーション「IllustMatch® (イラストマッチ)※1」も追加で導入いただきました。2026年9月にはオンラインで色校正を行った2作品目が発行されています。
今回は、金の星社編集部の皆様に「モニタープルーフシステム」の導入に至った経緯とご感想、今後の活用法などを伺いました。
<金の星社編集部の皆様>
副部長 野村 茂樹 様
編集部 課長代理 平山 美穂 様
編集部(製作担当) 副部長 市村 康史様
編集部 課長代理 平山 美穂 様
編集部(製作担当) 副部長 市村 康史様

<TOPPANクロレ担当者>
第四営業本部第二部 部長 綿貫 聡子
第四営業本部第二部 係長 畔田 光信
第四営業本部第二部 係長 畔田 光信
技術開発本部CMS技術部 課長 和田一高
自席のモニターで色の確認ができる仕組みを
―貴社の歴史と事業内容から、お聞かせください。
野村 大正8年11月に設立された、業界で最も長い歴史を持つ子どもの本の専門出版社です。創業と同時に刊行された童謡童話雑誌『金の船』(のちに『金の星』に改題)は、初代編集長の野口雨情をはじめ、島﨑藤村、有島生馬、若山牧水、中山晋平といったそうそうたる先人たちと共に、日本の近代的児童文化の成立をリードしてきました。「子どもたちの心を豊かにし、その成長の糧となる良書の出版と普及を」という創業以来の基本姿勢を今日も引き継いでいます。
―最近では、『それ犯罪かもしれない図鑑』が23万部突破の大ヒットとなっていますが、近年、特に力を入れていらっしゃるジャンルはありますか。
野村 はい。社会の仕組みや今問題になっていることを、大人と子どもが一緒に学べるような実用書に力を入れていこうという話が出ています。
―今回は色校正に関するお話を中心にお伺いしますが、従来の色校正の方法について教えてください。
市村 基本的に、4色の本では「JetProof(ジェットプルーフ)※2」で校正紙を出してもらっています。弊社の本は、作家さんの絵本、実用系絵本、実用書、読み物の大きく4つに分かれ、色校の方法にも違いがあります。例えば、作家絵本は全ページ、実用系絵本、実用書やは1~2折分の出校が多いですね。色味を確認してOKならあとは簡易的な方法で校正して回しています。読み物で4色のイラストが入っている場合に、そのページだけ校正を出して確認しています。
―「モニタープルーフシステム」を導入された経緯についてお聞かせください。
市村 モニター上で色校正できる方法があると聞き、まずは私だけ伺って見させていただきました。かなり実物に近い色で出ていたので、編集者を連れて改めて伺いました。編集者の反応も同様で、印刷と比べてこの再現レベルなら本の企画内容次第で活用できるだろうという意見でした。
野村 こんなに色が合うのかと驚きました。この再現性が自分の机の上のモニターでできるのならばやってみたいと思いました。
市村 紙による色校確認の工程が減らせれば、費用も圧縮でき、急ぎの時も助かるなどのメリットがあります。しかし色校正で最も大切なのは、色がしっかり出ているかどうかです。その点、編集者の目で確認してもクリアできていたので、ぜひ試してみようという話になりました。

実用系の絵本で導入して、色合いを確認
―最初に「モニタープルーフシステム」で色校正されたのは『いのちをまもる ぼうさいの絵本』ですね。
市村 はい。最初に試すのに作家さんの絵本はハードルが高いと思いました。作家さんは色校正をご覧になる方がほとんどなので、仕事場にあるパソコンのモニターまで調整してもらうのは大変です。そこで、イラストの線や構造が比較的シンプルだけれど、全ページがカラーの実用系の絵本でまずはやってみようという話になりました。そこに『いのちをまもるぼうさいの絵本』の企画が上がってきたので、導入を決定しました。編集担当の野村も同意見でした。
野村 こういった本の場合、今まではコストの関係もあって1~2折のみJetProofで確認しましたが、全ページ確認できるに越したことはありません。そこで今回は、1見開き2ページのみ画面とJetProofの差分確認用に出校し、残りの46ページ分は「モニタープルーフシステム」のみで確認することにしました。イラストレーターさんと間に入っている編集プロダクションさんには、今回、新たにモニター上で色校正をしてみるので、PDFだけで確認いただきますと、事前に了承を得ました。
クロレ和田 初回は私たち技術担当が金の星社様にお伺いして、野村さんのモニターの初期設定をさせていただきました。モニタープルーフ用にWindowsのノートパソコンを1台ご用意いただいていたので、それをモニターにつなげて、発色の特性をJetProofに近い色合いに調整しました。

―実際に使ってみて、いかがでしたか?
野村 正直、使ってみるまでは、どうなるのかよく分からなかったのですが、入稿した後はすぐにデータを送っていただき、進行はスムーズでした。色も思った以上にきれいに出ていたので、今回、赤字は入れませんでした。後に刷りあがった完成品をご覧になったイラストレーターさんからも、かわいい仕上がりでうれしいという感想をいただけました。
市村 これならいけるだろうということで、2冊目は平山が担当する『さいがい そのとき どうする? こころとからだをまもる絵本』を、「モニタープルーフシステム」で色校正をしてみることにしました。
平山 私が担当した本も、同じく実用系の絵本です。こうしたイラストはデジタル上で制作しているので、色校正は原画と見比べるわけではありません。出校してもらったら、全体的に色合いがきれいに出ているか、明るさは問題ないかなどを確認します。私も今回、特に赤字はなかったですね。もし赤字があっても、今までのように校正紙を物理的に送る時間が短縮できるので、繁忙期は特にありがたいシステムだと感じました。
野村 通常であれば、色校は複数部出してもらい、弊社と編集プロダクションさん、デザイナー、イラストレーターと、みんなで確認するのが基本でした。今回は弊社のみで確認する方法をとりましたが、工程はかなり簡略化されたと思います。


実際に使ってわかったことと、今後の可能性
―難しかった点や、改善してほしい点があれば、ぜひお聞かせください。
野村 カラーの色味はモニターと比べてよく出ていたのですが、紙の地色の白がぴったりとは合わず、ちょっと迷いました。実用系の本だと割と白地部分も多いので、面積が広いと気になるかもしれません。それと、校正するときの目の動きが、今までは紙を並べて左右で見比べる感じでしたが、「モニタープルーフシステム」では手元の紙と画面を上下で見比べるので、慣れが必要だと感じました。
平山 私もほぼ同じ感想です。それから、私は「IllustMatch®」を使って、自分でモニターを設定してみましたが、最終的には和田さんに調整いただきました。使い方もちょっと難しかったのですが、何より、色が合っているのか、自分だけでは自信が持てなかったです。


―「モニタープルーフシステム」について、貴社での今後のご活用方法、TOPPANグループへのご要望などがございましたらお聞かせください。
平山 今回試したのは2冊とも店頭向けの実用本でしたが、今度は図書館に置いていただくことを目的とした、子どもたちが教科書の内容などを学ぶのに役立つ学習用の書籍に活用したいと思っています。こちらは店頭向けの実用書同様、カラーページでイラストや写真が多く使われている本です。
市村 そうですね。おそらく、技術的には作家絵本でも活用が可能な段階にきていると思うのですが、野村が言っていたように、編集者の目の動きや感覚がまだ慣れていないのかなと思います。
野村 編集者としては、校正は2人以上の目で確認できるとより安心です。編集プロダクションなどにも「モニタープルーフシステム」で色校正を見ていただける環境がつくれるといいですね。
クロレ和田 ぜひお使いいただきたいと思います。「IllustMatch®」については、今後も改良を重ね、さらに使いやすいシステムにしていきたいと考えております。


平山 経験を積んで慣れていけば、もっと自信を持って判断できるようになってくると思うので、今後も積極的に使っていきたいと思っています。また、業界全体でいうと在宅ワークも増えているので、将来的に色校チェックまで自宅のモニターでできる環境になれば、働き方の幅も広がるのではないでしょうか。
クロレ綿貫:当社側としては、赤字が入る場合のやり取りは、よりお客様が使いやすい方法や相互間のやりとりにおける取り決めをしっかり事前に共有しておく必要があると感じました。現段階では、出校データをお客様に出力していただき、そこに赤字を入れていただいたものを画像データにしてメール等で戻していただくフローを想定していますが、今後は紙を使わずにオンライン上で完結できる方法を目指してまいります。
クロレ畔田:今後TOPPANグループとしてはモニタープルーフの適用ジャンルの拡大と横展開の推進をしながら、技術的・感覚的なハードルを少しずつクリアにして、将来的には作家絵本の領域へも対象を広げていければと思っております。更にペーパーレス化・オンライン完結型フローを確立し、紙の校正紙をやり取りする従来の方法から、完全にオンライン上でやり取りが完結する効率的なワークフローを構築・提案させて頂き、今回の導入事例の社外発信を通じて、金の星社様の先進的な取り組みをアピールし、双方のブランド価値向上に繋げていければと思っております。
本日は貴重なお声をありがとうございました。

※1 Jetproof

※1 Jetproof
印刷をインクジェット方式で、実際の印刷時の使用する紙を用いることで、色味や質感を確認する色校正の方法のひとつ。
本機校正より低価格・短納期で、入稿から1日前後で確認ができる。
※2 IllustMatch®
人それぞれ異なる「色の見え方」に合わせて、モニター表示を最適に調整するサービス。
高価な専用機器を使わずに、画面上のイラストと印刷見本を見比べ感覚的な操作で色合わせを進められるため、手軽な操作でありながら、使用者の目に合わせた高精度な色調整が可能。その他、画面に表示された色玉を動かして色を調整するColorSeeker®も展開中。IllustMatch®で作成した設定を微調整する必要が出た際に、色相ごとに明度・彩度・色相を調整できるほか、明るさ別にグレーバランスの調整が可能。
(IllustMatch®画面イメージ)

(ColorSeeker®画面イメージ)

(ColorSeeker®画面イメージ)

▼モニタープルーフシステムに関する詳細はこちらをご参照ください。
【本件に関する問合せ先】
TOPPANクロレ株式会社 広報チーム
info-clr@toppan.co.jp
※このページの内容は発表時のものです。
