動画マーケティングの魅力とは?活用事例と3つのポイントを解説
マーケティング・販促
インターネット上で、文字や写真だけでは伝えきることができない魅力を、ダイレクトに的確にユーザーや顧客に届けられるのが動画です。ほんの短い時間でも、たくさんの人に向かって多くの情報を発信することができる動画マーケティングについて、詳しく解説します。
- 目次
- 1. 動画マーケティングとは?
- 1-1. 動画広告の市場は年々拡大
- 1-2. ユーザーのデータをマーケティングに活用
- 1-3. リアルタイムでレスポンスが把握できる動画も
- 2. 動画マーケティングのここがすごい!
- 2-1. 動画は「動く」ことで、細かいニュアンスまで伝えられる
- 2-2. 動画は「音」で、臨場感を高めることができる
- 2-3. 事例1 風景も方言も美しいと感じさせる、移住促進動画
- 2-4. 事例2 膨大で複雑な情報を、繊細にわかりやすく表現した動画
- 2-5. シェアやSEOで高まる動画の価値
- 3. 動画マーケティングを行う際の3つのポイント
- 3-1. 目的とターゲットを明確にする
- 3-2. 数値目標を設定してPDCAサイクルを回す
- 3-3. 求められる動画のクオリティーを見極める
- 4. 動画マーケティングの活用はさらに進む
動画マーケティングとは?
動画マーケティングは、インターネット上で行われる動画を使ったマーケティングの方法です。商品の紹介やキャンペーン告知などの広告だけでなく、企業や組織のブランディングや、eコマースやサービスのプロモーションなども含みます。
動画広告の市場は年々拡大
かつてはテキストと画像がWEBサイトのメインコンテンツでしたが、今では数あるメディア広告のなかでも、動画が大きな割合を占めるようになってきました。
インターネット広告業のサイバーエージェント社が2019年に行った市場調査では、動画広告の市場は、2018年対比141%の2,592億円に達する見通しで、特にスマートフォン市場が大きく成長していると発表されています。さらにこの市場は年々拡大しており、2023年には5,065億円にもなるという予測も出ています。
ユーザーのデータをマーケティングに活用
インターネットを使った動画マーケティングは、テレビCMやデジタルサイネージの広告などと違い、閲覧者数、再生回数、視聴維持数(どの程度の人が途中で脱落せずに最後まで視聴したか、脱落した人はどのあたりで見るのをやめたか)などの情報を、発信者が収集できるのも大きな特徴です。動画を見たのはどの時間帯なのか、どのような検索ワードをもとに動画にたどり着いたのかのほか、どんなアプリを経由して見ているのか、どのSNSから流入しているのか、どのエリアに住んでいるのか……などのユーザー情報を集めることも可能で、視聴者の年齢や性別も把握できます。
こういった視聴者情報を分析することで、セグメントされたターゲットに狙いを絞ったマーケティングを展開できるのです。
リアルタイムでレスポンスが把握できる動画も
その場でコメントが付いていくようなライブ配信や、紹介した商品がすぐ買えるECサイト直結の動画などのインタラクティブなコンテンツでは、リアルタイムで反響がわかります。印刷物やテレビ、街頭広告のようなメディアとは違い、広告効果が瞬時にわかるのはマーケティング戦略のなかでは大きなアドバンテージといえるでしょう。
視聴者の反応次第で、内容やデザインの変更をしたり、動画を配信するタイミングを考慮したりするなど、より効果的な次の手段を考えることができます。
動画マーケティングのここがすごい!
動画は「動く」ことで、細かいニュアンスまで伝えられる
一般的に動画は、写真や文字のみで構成されたものよりも情報量が多く、わずかなニュアンスまで伝えることができます。例えばプロダクトを紹介する動画の場合、対象を動かして見せることで、その大きさや詳細なデザインはもちろんのこと、素材の強さや柔軟性、撥水性能などの機能、形状記憶繊維の戻る動きといった、文字だけではうまく伝えられない特性も、手に取るように見せることができます。
動画は「音」で、臨場感を高めることができる
商品が持つ音声ガイダンス機能や静音性などの、聴覚を通して伝えたい機能や特長をしっかり伝えることができる点も、「音」をともなう動画ならではといえるでしょう。
また、例えば観光地やレジャー施設を紹介する動画であれば、見どころや訪れた人の笑顔に加え、生の声をインタビューしたり、スタッフのメッセージをそのまま伝えたりすることもできます。周囲の様子を映す際には、歓声や水の音、風の音などの“音の風景”もまた、臨場感と魅力を高めるファクターになります。
次に、このような「動き」と「音」を上手に活用した動画の事例を2点紹介しましょう。
事例1 風景も方言も美しいと感じさせる、移住促進動画
宮崎県小林市が移住促進のために制作したPRムービー 「ンダモシタン小林」は、外国人の男性が自身の言葉で、小林市の自然や人々の暮らしを紹介する動画で、日本語の字幕が付いています。美しい自然に見とれ、ユニークなナレーションの字幕を追っていると……、流麗な外国語に聞こえたナレーションが、実は地元の言葉で語られたものだったということが明かされます。ナレーションと映像と字幕との組み合わせが、楽しい驚きと十分なインパクトを生んだ好事例です。
―小林市公式チャンネルより 宮崎県小林市 移住促進PRムービー “ンダモシタン小林”
https://www.youtube.com/watch?v=jrAS3MDxCeA
事例2 膨大で複雑な情報を、繊細にわかりやすく表現した動画
動画ならいかにわかりやすく表現できるかを実感するのが、YahooJAPANPRのアカウントによる「東京駅から日本全国への『到達所要時間マップ』 - Yahoo! JAPANビッグデータレポート」です。東京駅を出発地とし、全国各地へ、あらゆる交通手段で移動した場合の「所要時間」と「ルート」という、膨大で複雑なデータを可視化した動画です。所要時間ごとに毛細血管のように形づくられていくルートマップは、わかりやすいだけでなく、繊細でとても美しいものです。バックに流れるやさしいピアノの旋律とともに、感心しながら引き込まれ、見入ってしまいます。
―YahooJAPANPRより 東京駅から日本全国への「到達所要時間マップ」 - Yahoo! JAPANビッグデータレポート
https://www.youtube.com/watch?v=WvT8-LKQUJU
シェアやSEOで高まる動画の価値
動画は、視聴者(ユーザー)の印象に残りやすいといわれています。強い印象を与えて視聴者の心を動かすことのできる動画は、TwitterやFacebookなどのSNSで、シェア(拡散)されることが期待できます。そして十分なインパクトを与えられれば、プロダクト名や企業名を覚えてもらえるという大きな利点もあります。
また、最近ではGoogleなどの検索結果に動画コンテンツが上がってくるようになり、動画のSEOに関する研究も進んでいます。WEBサイトに質の高い動画を掲載することで、検索流入の増加につながる可能性も出てきており、動画はWEBサイトのPRにも効果が期待できるのです。
動画マーケティングを行う際の3つのポイント
目的とターゲットを明確にする
まずは目的をはっきりさせることが大切です。「誰に動画を見てもらいたいのか(ターゲット層はどこなのか? どんなペルソナなのか?)」「動画を見た結果、どんなアクションを起こしてほしいのか?(サービスの導入や商品の購入、特定のワードの検索など)」を決定し、それに合わせて内容を固め、動画のデザインや演出にも反映させます。男性向けなのか、シニア向けなのか、富裕層向けなのかなど、ターゲットに細かなリサーチを行い、相手に響くクリエイティブを行いましょう。また、ターゲットに合わせて、どのプラットフォームで動画を配信するかも重要です。
数値目標を設定してPDCAサイクルを回す
内容が決まったら、具体的な動画再生回数や視聴率、ユニーク再生数、コンバージョン数、TwitterやFacebookのシェア数などの数値目標を設定します。公開後は、それぞれの指標のデータを測定・検証し、次のマーケティングに生かします。PDCAサイクルを回すことは、動画マーケティングにおいても不可欠なのです。
求められる動画のクオリティーを見極める
近年の動画の視聴者は、YouTubeなどでアマチュアクリエイターが制作した作品も含めて大量の動画を見ており、目が肥えています。そのため、マーケティングの一環として動画を制作する場合も、技術、内容ともに高いクオリティーが求められます。
しかし、自社制作で高品質な動画を目指す場合は、ビデオカメラやレンズ、照明などの専門性の高い機材、動画制作ソフトを利用する技術が必要となります。動画を撮影、編集するといった作業もあり、慣れていなければ時間がかかります。機材は用意できても、適切に扱える人材をそろえるのは骨の折れることです。円滑に高品質な動画を作成するには、豊富な経験と技術のあるプロフェッショナルの力を借りるのも良い方法といえます。
動画マーケティングの活用はさらに進む
どんどん高速化し、スピード感、トレンド感が重要なインターネットマーケティングの世界で、動画は大きな役割を担うようになりました。プロダクトの発表や広告、宣伝だけでなく、販売促進や企業のブランディングなど、活用の幅は広がっています。高機能なスマートフォンが多くの人々の生活の一部となった今、動画はいつでもどこでも人々の手元で再生され、楽しまれる、重要な情報源です。今後も価値が高まっていく動画をマーケティングツールとして活用することは、もはや必須といえるでしょう。
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