アニコム損害保険株式会社様 「『どうぶつ健保』保険証の改善」
金融・保険
保険証の改善で、契約者のエンゲージメントを強化。新規、継続ともに好調に
「大切な家族の一生を支える」をコンセプトに、日本にペット保険を定着させ、今も業界トップをひた走るアニコム損害保険株式会社。人間の健康保険とほぼ同じ役割を持つ「どうぶつ健保」は、2022年12月現在、全国6,768の動物病院が対応しており、対応外の病院での診察や入院、手術でも、後から保険金を請求できるサービスが整っています。
家族である動物と健康でずっと一緒に暮らしたい、そんな飼い主様の想いに寄り添う保険として、サービスも充実させていくことが大切です。その中の、TOPPANクロレの関わったある課題の解決について、アニコム損害保険株式会社の尾形裕樹様、稲田雅人様、佐藤暁様に伺いました。
- 契約数の増加に伴い、保険証の発行に遅延が発生していた
- 保険証の見栄えと品質を契約者の満足度を高めるために改善したかった
- 製造フローを見直して、発注から納品までのリードタイムを改善した
- 写真の表現と印刷の品質を改善した。また、技術的な工夫で反りをなくし、素材を環境対応に変更した。
- 保険証に対するクレームが激減した。
- 契約件数が増え、契約の継続率も向上した。
- 動物たちが健康で長生きすることができるように貢献していきたい
保険証は営業ツールとしても大事
だからこそ、納期やコストだけでなく、質にもこだわりたい
総務部長
尾形裕樹様
「どうぶつ健保にご加入いただいたお客様には、保険証を発行しています。2008年頃は契約件数も20万件ほどで保険証の発行にも対応ができていたのですが、契約が90万件に登ると対応が追いつかなくなってきました。納期だけではなく、コスト、仕上がりなど、不満を覚える部分は少なくありませんでした」
納期やコストは当然として、仕上がりにもこだわりを見せるのには訳があります。
「保険証はいわば、強力な営業ツールなのです。動物病院で保険証を実際に使用しているところを見かけ、それまで知らなかったどうぶつ健保を知ったという飼い主様も多く、周知効果は抜群です。また、保険証には動物の写真も印刷されています。その姿が可愛く、美しく映っていることも重要で、保険証自体をほしいと思っていただくのもポイントなんです」
もちろん、仕上がりと言うのは、何も動物の写真の美しさに限った話ではありません。保険証そのものの品質も問われていました。
「ご契約者様の多くは、どうぶつ健保の保険証をお財布などに入れて持ち歩いていらっしゃいます。なので、紙の保険証では折れ曲がったり、破れてしまったりとトラブルも多い。それに、見た目が残念な保険証より、質の高い保険証のほうが信頼できる気がしませんか?」
手厚いサービスが整っていることを、まず、保険証の佇まいで示す。どうぶつ健保の存在を、保険証をきっかけに知る方が多いのであれば、質を重視するのも納得です。
よりレベルの高い保険証を納期内に確実に納めてほしい。その課題をクリアするため、当時、業者の変更を検討していました。
タイミングが奇跡的に合致
TOPPANクロレの技術と対応力で課題から一歩進んだ提案へ
業者の変更を検討しているタイミングで、現れたのがTOPPANクロレ。飛び込み営業という偶然の出会いでした。
「ちょうどいいタイミングだったこともあり、営業さんと話をしてみると、とてもスムーズに会話が進みました。試しに、と課題になっていた部分の話を振ってみても、ポンポンと答えが返ってくる。とても気持ちよく会話のキャッチボールができたことで、この人に任せてみようかなと素直に思えました」
そこから、二人三脚での保険証の質を向上させる取り組みが始まりました。まず、保険証の写真部分での問題は、切り抜きと色の出方。この要望に対してTOPPANクロレとしては、長年、印刷を手掛けてきた会社の矜持として、要望以上の成果を見せたい部分でした。たとえば、毛並みの長い犬種の切り抜きや、黒猫や黒犬をキレイに印刷するなど、これまで上手くいっていなかった部分をクリアするだけでなく、細部にまで目を行き届かせるようにしました。
「社内にデザイナーがいるのですが、色やフォントにとてもこだわります。それは、見た目の問題だけではなく、保険証を扱う動物病院への配慮でもあるのです。年齢や保険の種類によってちゃんと色分けして、読みやすい見やすい文字を使うことで、病院側のミスの軽減にお役に立てると考えているからです」
細かな変更や要望にも即座に対応する。その基本姿勢で当社は信頼関係を築いていきました。保険証の厚みを確定させるまでの過程もひとつです。 薄すぎると破損しやすく、厚すぎると扱いにくい。程よい厚さになるまで何度も試作を繰り返しました。さらに、反りが出てしまうという問題にも対応しました。これは、印刷時の圧力のかけ方など技術的な工夫で解決し、保険証自体の品質についてはほぼクリアすることができました。
総務部係長
稲田雅人様
「こちらの思い描いた通りの保険証を仕上げてもらったことで、さらにもう一歩上の要望をお願いしました。それは、保険証を環境対応にしてほしいというものです。耐久性の面から、プラスチック製の保険証を使っていたのですが、環境問題を考えれば、なるべくプラスチックは減らしていきたい。その思いを相談させてもらいました」
プラスチックを半減させるアイデアとして、耐水性のある紙を真ん中にし、それを薄いプラスチックでサンドイッチする形を提案しました。この方法で仕上がりや耐久性に問題はなく、プラスチック率も減らせるということで、今では、すべての保険証がこのスタイルに切り替わっています。
「納期については問題ないというより、むしろスピードアップしています。データを渡せば、すぐに確実に対応してもらえるので、その部分のストレスやトラブルはもうありませんね」
保険証へのクレームがほぼなくなった
それこそが、お客様の満足度を示す証
「確実な成果として言えるのは、保険証に関してのクレームがほぼなくなったということです。これは、契約者様が現在の保険証にご満足いただいている何よりの証だと考えています」
商品自体ならば「よくなった」などの声が寄せられることもあるでしょうが、保険証は商品ではないので、そういった声は届きにくいのだと言います。だからこそ、これまであった破損などのトラブルがクレームとして上がってこなくなったことを、成果として評価していただけました。
「契約件数が年々増えていること、毎年、多くの方が契約を更新してくださること。これはどうぶつ健保をいいものだと評価していただいているからではありますが、実は、保険証の貢献もあると思っています。どうぶつ健保は1年毎の更新なので、その都度、保険証も新しくなり、もちろん動物の写真も新しいものに変わります。それを楽しみにしてくださっている契約者様も多く、保険証を動物の成長記代わりにコレクションされる方もいらっしゃると聞いています」
元々、動物と暮らす家庭が、ここ近年、増加傾向にあったところにコロナ禍によってさらに増加に加速がかかり、ペット保険に参入してくる企業も増えたと言います。大手企業の参入もある中、アニコム損害保険株式会社が業界のトップであり続ける背景には、保険証ひとつにもこだわり抜く、その細やかなサービスにあります。けれど、それだけではありません。業界全体を、そして、その未来を見据えたビジョンがあるからです。
病気はなる前に防ぎ、保険のない世界を 動物と人間が幸せに暮らす未来を見据えて
理想は、保険を使う必要がなくなること。動物たちが健康で長生きできる未来を実現するために、すでにアニコム損害保険株式会社は動き出しています。
総務部
佐藤暁様
「元々、我々が目指していたのは、予防型保険です。病気になってからではなく、病気になる前に防ぐという保険です。それをずっと提唱してきました。そして、それをここ数年で実現可能なところまで漕ぎ着けたと思います。たとえば、腸内細菌を見ることで健康度が図れたり、遺伝子情報をしっかり把握することで健康な動物の繁殖が可能になったり。技術的に進化したことで、予防型保険がぐっと現実的になってきました」
実際に、ブリーダー様と提携し、確かな遺伝子情報の基、強い個体を繁殖させ、そうした動物を飼い主様とマッチングするシステムなどもすでに構築していると言います。 さらに、人間と同じく長生きをするようになった動物たちの病気、たとえば、がんや認知症、アトピーなどに関する対応も、今後、積極的に整えていくようです。
マーケティングソリューション営業本部2部2課
課長 小野健一
営業担当 安達絵美
「今は、人間も動物も長生きですから、飼い主様がお亡くなりになった後に取り残された動物たちのフォローなども行っていきたいと考えています。動物との暮らしは、人間にとって生きがいであったり、孤独の解消であったり、子どもの情操教育のためであったりします。人間にとって、動物はもうなくてはならない存在になっていると思います。だからこそ、殺処分の問題なども見過ごせませんし、多頭飼育崩壊やその他の問題にも取り組んでいきたい。それがこれからの課題かもしれません」
「どうぶつ健保」をスタートに、動物と人間が共に、幸せに生きる世界を作ること。それが、アニコム損害保険株式会社の描く未来図のようです。そのために何が必要か、を聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。
「飼い主様の想いに寄り添う、細かなことの積み重ねが、幸せにつながると思います」
そんなアニコム損害保険株式会社のお客様に寄り添う「積み重ね」に、これからもTOPPANクロレはデジタルからアナログまで、さまざまなソリューションを駆使して協力していきたいと思います。
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