キャラクタービジネスとは?メリットや成功のポイント、事例を解説

キャラクタービジネスとは?メリットや成功のポイント、事例を解説

マーケティング・販促

キャラクタービジネスとは、キャラクターを活用して利益を生み出すビジネスのことです。キャラクターを効果的に活用することで、企業の認知度を高めたり幅広い層へアプローチできるほか、収益化も見込めます。しかし、キャラクタービジネスをどのように始めればいいのか分からない方もいるでしょう。この記事では、キャラクタービジネスの基本や市場規模から、具体的な成功事例や成功のポイントまで分かりやすく解説します。

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キャラクタービジネスとは

キャラクタービジネスとは、特定のキャラクターを通して利益を得るビジネスを指します。アニメやマンガ・他社の既存キャラクターとのコラボレーションも1つの手法ですが、自社独自のキャラクターを活用したビジネスを指すケースがほとんどです。

既存キャラクターの使用は、キャラクター自体の認知を活かしやすいというメリットがありますが、ライセンスが複雑になり手間やコストがかかります。一方、自社独自のキャラクターであれば、目的に応じて柔軟に活用できるだけでなく、収益化も見込みやすくなるのです。
独自キャラクターを活用したビジネスの代表的な手法には、以下の3つが挙げられます。

  • マーケティング・ブランディングへの活用
  • ライセンスビジネスへの活用
  • キャラクターの商品化

マーケティング・ブランディングへの活用

キャラクターは視覚的なインパクトが強く、消費者の目を引きます。企業のメッセージや商品・サービスのプロモーションに活用することで、キャラクターの魅力が関心を集め、認知度の向上やブランディングに効果を発揮します。さらに、キャラクターのストーリーが企業や商品のコンセプトと深く結びついていると、キャラクターへの愛着が企業への親しみへとつながりやすくなります

ライセンスビジネスへの活用

自社キャラクターのライセンス(使用権)を他社に販売して利益を得る手法もあります。例えば、国内外問わず幅広い世代から人気の高い「ポケモン」は、多くの企業とライセンス契約を結び、幅広く商品化されている代表的な例と言えるでしょう。自社キャラクターの権利を他社に提供できるようになれば、ライセンス料という新たな収入源の確保につながります。

キャラクターの商品展開

自社のキャラクター自体を商品として展開し、利益をあげる方法もあります。キャラクターグッズは、アパレルや文房具・おもちゃなど幅広く商品展開できます。限定グッズやコレクターズアイテムはファンにとって魅力的で話題にもなりやすく、よりキャラクターや企業に愛着を持ってもらう効果も狙えるでしょう。

キャラクタービジネスの市場規模

株式会社矢野経済研究所の調査(※)によると、2024年度のキャラクタービジネスの市場規模は2兆7,464億円になると予測されています。これは2023年度の2兆6,969億円の101.8%アップとなり、2013年度が2兆3,110億円であったことからも市場は毎年拡大傾向にあるといえます。また、視覚的な訴求力が強いキャラクターは言語の壁も超えられるため、今後は海外需要がますます高まっていくでしょう。

※キャラクタービジネスに関する調査を実施(2024年):株式会社矢野経済研究所

キャラクタービジネスのメリット

キャラクタービジネスのメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 他社と差別化しやすい
  • 認知度が向上する
  • 幅広い層から好意的なイメージを持たれる

他社と差別化しやすい

キャラクターは、デザインの選択肢が幅広く、ロゴやイメージカラーよりも他社と差別化がしやすくなります。商品パッケージにキャラクターを掲載するだけでも、類似商品との大きな差となり消費者の目を引くことでしょう。さらに、キャラクターを気に入ってもらえれば商品に興味がなくても「あのキャラクターが載っているから買う」というように商品選択の後押しにもなります。

認知度が向上する

キャラクターは関心を引きやすく印象に残りやすいため、企業や商品の訴求効果がアップします。
企業や商品はよく知らなくてもキャラクターなら覚えているという人は多いでしょう。キャラクターの活用は、企業や商品を知ってもらうきっかけとして有効です。

さらに、継続的にキャラクターによるプロモーションを行うことで、「あのキャラクターの会社」というように、キャラクターと企業や商品を関連づけて認識してもらいやすくなり、結果として認知度アップにつながっていきます。

幅広い層から好意的なイメージを持たれる

キャラクターは親しみを感じやすく、年齢や性別に関わらず受け入れてもらいやすいという特徴があります。消費者にとって堅い印象のある企業でも、キャラクターを用いることで印象が変わるケースもあるものです。それまでターゲットではなかった層にもアプローチしやすくなり、顧客拡大につながるでしょう。

キャラクタービジネスの注意点

キャラクタービスネスを行う際の注意点として、以下の2つが挙げられます。

  • キャラクターの浸透・定着には時間がかかる
  • ブランドイメージを損ねる可能性がある

キャラクターの浸透・定着には時間がかかる

キャラクターの浸透・定着にはある程度の期間を要するのが一般的で、即効性のある取り組みではありません。さまざまなメディアで露出させるなど、地道な活動を続けてようやくキャラクターの認知度が上がっていきます。キャラクタービジネスが成功するまでには、かなりの手間と時間・コストがかかることを、経営陣や上司なども含めて全社で共有しておきましょう。

ブランドイメージを損ねる可能性がある

キャラクターデザインは選択肢の幅が広い反面、明確なコンセプトに基づいて設計しなければ、企業や商品・ターゲットとかけ離れたキャラクターデザインや設定になる可能性があります。最悪の場合、キャラクターが浸透しないだけでなく、ブランドイメージを損なう恐れもあります。

キャラクタービジネスのポイント

キャラクタービジネスは、キャラクターを作れば必ず成功するという簡単なものではありません。キャラクタービジネスをスタートさせる際には、以下のポイントを押さえておくようにしましょう。

  • コンセプトを明確化する
  • レギュレーションを設定する
  • 露出を増やし、認知度を向上させる

コンセプトを明確化する

キャラクターを作る際には、「可愛ければいい」のようになんとなく作成すると失敗しやすくなります。また、キャラクターはデザインだけ設定すれば消費者に響くわけではありません。キャラクターの性格やストーリーなどの細かい要素も必要になり、それらが企業や商品に合っているが重要です。

キャラクタービジネスを行う目的やターゲット・キャラクターのコンセプトを明確にしたうえで、キャラクターのデザインや背景を入念に設定しましょう。

レギュレーションを設定する

キャラクターの使用ルールであるレギュレーションを設定することも大切です。複数の商品やメディアでキャラクターを展開させたとき、バラバラのデザインやメッセージ性で利用されるとキャラクターやブランドのイメージを損ないます。

キャラクターのデザインやカラー・使用するフォント、サイズなど細かいルールを決めておくことで、キャラクターの一貫性が保たれるでしょう。

また、ライセンスビジネスの展開も検討している場合は、ライセンス契約にレギュレーションをしっかり盛り込み、取引先が違反しないような管理体制を整えておくことも必要になってきます。

露出を増やし、認知度を向上させる

キャラクターを作成し使用ルールを決めたら、認知度向上のためのステップに入ります。
前述のとおり、自社キャラクターは認知度ゼロからのスタートになるので、複数のメディアで露出を増やすなどの地道な施策が欠かせません。露出の増やし方としては、以下の3つが検討できます。

オウンドメディア 自社サイトや自社SNSアカウントなど自社で運営するメディア
アーンドメディア ユーザーの投稿やニュースメディア・他社コラボなど第三者の発信するメディア
ペイドメディア 広告やCM・キャンペーンなど費用をかけて露出させるメディア

コストをかけずに柔軟に展開できるのは自社SNSなどのオウンドメディアです。

SNSではキャラクターの発信がしやすいだけでなく、魅力的な投稿を行うことで拡散も期待できるでしょう。しかし、SNS運用だけでは特に認知度が低い企業では効果を得にくいため、ターゲットや目的に応じてアーンドメディアやペイドメディアと組み合わせて露出していくことが大切です。

キャラクタービジネスのトレンド

ここでは、キャラクタービジネスのトレンドを押さえていきましょう。

「コト消費」の拡大

近年のキャラクタービジネスはグッズといった物販中心のモノ消費だけでなく、キャラクターの世界観を反映したカフェやイベント・展示会といった「コト消費」が拡大しています。このような体験によるキャラクターへの共感を深めることは、結果としてモノ消費にもつながります。イベント開催からグッズ販売につなげる導線設計が重要です。

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NFT・メタバース

アートやゲームの分野で活用が進み市場が拡大しているNFT・メタバースは、新たなキャラクタービジネスの活動の場として注目を集めています。メタバースでは、キャラクターによるプロモーションや体験型マーケティングなど、デジタル空間を利用したキャラクタービジネス展開により新たな顧客との接触が可能です。すでにイベント開催や限定グッズの販売など、バーチャル空間独自の演出で新たなエンターテインメントの提供が行われています。

また、NFTコンテンツは希少性や明確な所有権を活かしたコレクターズアイテムとして人気です。今後デジタル技術の進化・普及により、NFT・メタバース分野でのキャラクタービジネスはさらに拡大していくと予測されます。

異業種コラボレーション

異業種コラボレーションは、自社とは異なる業種のキャラクターや商品とコラボレーションさせ、新たなターゲットへアプローチする手法です。他社キャラクターとのコラボは、それぞれのキャラクターの認知度を活かし新しい層への接触の機会となります。

また、飲食業界とアパレル業界のように異業種の商品と自社のキャラクターをコラボさせることで、自社の既存顧客に新たな魅力を伝えるだけでなく、異なる市場へのアプローチにもつながります。

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バーチャルキャラクター・VTuber

バーチャルキャラクターやVTuberとしてキャラクターを展開し、自社の商品やサービスを紹介させる手法も注目を集めています。

近年、バーチャルキャラクターを簡単に作成できるアプリやソフトが増えていることも、それらを活用する企業が増加している要因でしょう。バーチャルキャラクターやVTuberであれば、自社キャラクターを2D・3Dで自在に動かせるので、より消費者の関心を引きやすく新たな顧客獲得にもつながります。

キャラクタービジネスの成功事例

キャラクタービジネスの成功例をいくつか紹介します。

くまモン(熊本県)

熊本県のマスコットキャラクターである「くまモン」は、言わずと知れた高い知名度でさまざまな商品とコラボし、熊本県のPRに大きく貢献しています。くまモンは、ライセンス利用料不要で利用できるという特徴がありますが、利用方法については熊本県に関連する商品であるなど審査が実施されます。利用料をとらず利用ルールをしっかり設定することで、利用促進を促しつつ熊本・くまもんブランドの構築も行えているのです。

SUUMO(リクルート)

不動産業界で人気のあるキャラクターといえば、SUUMO(スーモ)です。SUUMOと聞いただけで、ふわっとした緑の丸いあのキャラクターをイメージする方も多いでしょう。リクルートの賃貸事業を集約しSUUMOとして展開をスタートするのをきっかけに誕生したキャラクターであり、覚えやすいキャラクターデザインとCM・広告により高い知名度を誇っています。「家探しといったらSUUMO」という印象付けに成功し、顕在層だけでなくこれから物件を探す潜在層へのアプローチにもつながっています。

アジパンダ(味の素)

味の素のパッケージにデザインされたパンダモチーフのキャラクターであるアジパンダ。新たな顧客層へのアプローチを目的に若い世代や子育て世帯に人気の高いパンダと、コーポレートカラー・瓶の形状とのマッチにより誕生したキャラクターです。2005年に商品キャラクターとして誕生し、2015年には企業キャラクターとなり、商品パッケージやCMだけでなくグッズ販売・イベント活動・オンライン発信など幅広く展開しています。

キウイブラザーズ(ゼスプリ)

CMやSNSで人気の高いキウイブラザーズ。 以前ゼスプリではタレントを起用したCMを行っていましたが、タレントに注目が集まりキウイフルーツのおいしさや栄養・ブ8ンドイメージの認知が低いという課題がありました。その対策として、キウイ自体に愛着を感じてもらうために生まれたのがキウイブラザーズです。Instagramではキウイレシピを提供し、Xではキウイ情報や兄弟の日常を配信するなど、キウイブラザーズを中心としたブランディングでキウイ=ゼスプリというイメージの確立につながっています。

ニッコージャー(日工)

キャラクタービジネスはBtoC企業のイメージが強いですが、BtoB企業でも活用されています。アスファルトやコンクリートプラントを手掛ける日工では、ニッコージャーと呼ばれる5人組戦隊キャラクターを展開し、インフラ整備や防災情報の提供を行っています。一般的にBtoB企業は消費者への認知度があまり高くありませんが、ニッコージャーを活用したホームページでの防災アイテム紹介や災害クイズ・パビリオン配信などにより、日工=防災やインフラに関する企業であることの認知につながっています。

キャラクタービジネスで企業・ブランドのイメージを浸透させよう

自社キャラクターは消費者の関心を引きやすく幅広い層にアプローチできるので、企業・ブランドイメージの構築に役立ちます。また、キャラクターを有効活用すれば、認知度向上だけでなく商品化やライセンス販売による収益化を見込めるというメリットもあります。

しかし、キャラクタービジネスは認知されるまでのハードルが高いため、明確なコンセプトや地道な活動が欠かせません。この記事を参考に、ブランディングの1つの方法としてキャラクタービジネスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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