会社案内の作り方 制作の流れや押さえるべきポイントを解説
マーケティング・販促
会社案内は、取引先や顧客、求人の応募者などに自分の会社を紹介するパンフレットです。その役割は、自社のことを知らない相手に良い印象を与え、企業価値を理解してもらうこと。つまり、会社案内の制作は企業の第一印象をつくる仕事だとも言えるのです。この記事では、初めて会社案内の制作を担当する人に向けて、自社の魅力をしっかり伝える会社案内を作るために、必要な基礎知識や制作の流れ、押さえておきたいポイントを解説します。
- 目次
- 1. 会社案内とは
- 2. 会社案内の役割
- 2-1. ブランディング・PRツールとしての会社案内
- 2-2. 営業ツールとしての会社案内
- 2-3. 採用活動ツールとしての会社案内
- 3. 会社案内制作の流れ
- 3-1. 企画・立案
- 3-2. 原稿作成
- 3-3. デザイン作成
- 3-4. 印刷・製本
- 4. 会社案内を制作する際のポイント
- 4-1. 会社案内の目的を明確にする
- 4-2. 構成要素のボリューム配分
- 4-3. デザインに凝りすぎない
- 4-4. 過去の会社案内、競合他社の会社案内を研究する
- 5. 自社の魅力をしっかり伝える会社案内を制作して、企業活動に貢献しよう
会社案内とは
会社案内という言葉は知っていても、いざ自分が作るとなると何を載せるべきなのか迷うものです。そこで、まず初めに、会社案内に関する基礎知識から解説します。
会社案内は、原則として初対面の相手に対して「初めまして」の意味を込めて読んでもらう冊子です。それを見れば、会社の基本的な情報が分かるものでなければなりません。会社案内に必ず掲載する基本情報には、会社概要、沿革、経営理念、業務内容、企業規模などがあります。会社案内は基本情報を提供することで、社会に対して企業を説明する身上書の役割を果たすのです。
自社のPRということで、事業展開の記述にはつい力が入りがちです。しかし会社案内は読む人の幅が広いため、相手の興味を引く内容をコンパクトにまとめるように心がけます。
会社案内では、企業の価値・魅力をどれだけ端的に伝えられるかが重要となります。基本情報以外の部分については、会社案内を作る目的によって掲載内容が変わります。
会社案内の役割
ひと口に会社案内といっても、発行する目的によって重視するポイントが変わります。主な目的ごとにその特徴を解説します。
ブランディング・PRツールとしての会社案内
企業認知を高め、ブランド価値の向上を目指す会社案内では、顧客や社会の信用性・信頼感を高めるために、自社の事業の中核となる強みを明確に示すことが求められます。
また、広報媒体としての要素が強いので、見やすさ・読みやすさを大切にします。対象とする読み手が広範囲にわたり、誰もが手に取る可能性があるため、汎用性を考えて専門用語をなるべく使わないといった配慮も必要になります。
営業ツールとしての会社案内
法人営業の訪問先や展示会、イベントなどで配布したり、見込み顧客にDMで送ったりする会社案内は、営業の支援ツールとしての役割を持ちます。詳細な商品情報を掲載したパンフレットとセットで使うことも多いでしょう。企業としての知名度が低い場合には、自社がどのような企業なのかを明確にし、信頼感を醸成する役割もあります。
内容的には、自社の強みをアピールすることに重点を置き、メーカーであれば独自の技術や生産拠点といった製品の優位性を裏付ける企業情報を載せる場合もあります。もし商品やサービスの情報を掲載するのであれば、改訂までの間に情報が古くなってしまわないように注意が必要です。
採用活動ツールとしての会社案内
採用活動で使う会社案内の場合、目的は採用ブランディングです。入社希望者に自社の魅力をアピールすることで、より良い人材の獲得を目指します。
採用情報に特化したパンフレットとセットにして、会社説明会や資料請求の際に配布されることが多く、一般的な会社案内と区別するために、採用会社案内と呼ぶ場合もあります。
採用会社案内には、応募者に対して入社後の仕事や働き方のイメージを広げる役割があります。そのため、企業の基本情報に加え、部署紹介や社員紹介、社内活動の様子を掲載するケースが多く見られます。
会社案内制作の流れ
次に、会社案内制作の具体的な流れを簡単に解説します。
企画・立案
コンセプトワーク:
こんな会社案内にしたいというぼんやりとしたアイデアを具体的な言葉に落とし込む作業。会社案内の目的や、何を軸に自社を紹介するかといった大枠を決定する
構成・デザインの方向性を検討:
目的や対象に合わせて誌面の構成やデザインの方向性を決定する
素材を検討:
どんな素材(テキスト・写真・イラスト・図表など)が必要かを検討する
仕様の決定:
中綴じ型・パンフレット型といった体裁のタイプや、誌面サイズを決定する
スケジュールの策定:
制作開始から納品までのスケジュールを作成する
費用(見積もり):
予算を立ててから制作業者に見積もりを出してもらい、業者を決定する
原稿作成
原稿依頼:
社内外の執筆者に原稿を依頼する
取材:
必要に応じてインタビューや座談会などを行う
撮影・素材作成:
企業ロゴ・写真・イラスト・図などを収集する。必要に応じて写真撮影やビジュアル素材の制作を行う
原稿整理:
取材原稿を書き起こし、依頼原稿を集める。でき上がった原稿とビジュアル素材をセットにする
デザイン作成
レイアウト・DTP作業:
整理した原稿を制作会社に渡し、レイアウトに従って初校(1回目の校正用原稿)を組んでもらう
校正:
仕上がった初校を詳細にチェックする。個人名や商品名などの固有名詞、沿革の年月や価格などの数字、自社の住所・電話番号・メールアドレスには特に注意を払う。必要に応じて再校を出してもらい、直し漏れがなくなるまで確認する
印刷・製本
入稿:
印刷所へデータを入稿する
色校正:
色みを確認する。予算やどの程度色みにこだわるかによって、精度や回数を選択する
印刷:
最終確認のあと、印刷へ
製本:
印刷完了後、製本して納品される
会社案内を制作する際のポイント
最後に、会社案内の制作において注意したいポイントを解説します。
会社案内の目的を明確にする
会社案内は、その目的によって内容が変わります。どこでいつ、誰に対して使う会社案内なのかを明確にし、目的に合った会社案内となるように注意しなければなりません。
読み手の興味を引くことができる内容になっているか、そこで期待されるアクションに導けるかといった点を考慮することが大切です。例えば、採用のための会社案内であれば、応募者の「入社したい」という気持ちを高める内容が求められます。
そのためにも企画段階で明確にした目的を、制作に携わる関係者全員が共有し、理解している必要があります。
構成要素のボリューム配分
掲載要素が多すぎると誌面のイメージが分散してしまい、アピールしたい重要な部分が薄れてしまう恐れがあります。掲載内容を十分に精査して、要点を絞り込みましょう。できるだけ読み手の視点を持って、情報を整理します。
デザインに凝りすぎない
デザインに凝りすぎて、会社案内の本質が失われるようでは意味がありません。企業のブランドイメージを表現し、信頼や安心を感じさせるデザインを追求しましょう。
複雑なレイアウトは避け、シンプルかつ印象的なデザインであるのが理想的です。基本的には色数を抑え、企業のブランドカラーやイメージカラーを生かす方向で検討します。
過去の会社案内、競合他社の会社案内を研究する
自社で作成した過去の会社案内を参考にすると、情報の漏れや盛りすぎを防止できます。変更点をピックアップし、今回制作する会社案内の目的に合った内容に作り直していきます。
競合他社の会社案内を研究すると、業界のトレンドをつかみ、自社の強みをアピールする方法を見つけられる可能性があります。ただし、似たような誌面にならないように注意が必要です。どうすれば自社の独自性を見せられるかという、ヒントを探すつもりで研究しましょう。
自社の魅力をしっかり伝える会社案内を制作して、企業活動に貢献しよう
目的がはっきりしないまま会社案内を制作してしまうと、会社概要や沿革といった基本情報を羅列しただけのパンフレットになりかねません。ブランディングや営業支援、採用など、どんな場面で使う会社案内なのか、読んでほしい相手は誰なのかを明確に定めたうえで、掲載する情報やデザインを準備することが大切です。読み手に自社の魅力をしっかりアピールする会社案内を制作して、企業活動の推進に貢献しましょう。
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