タグラインとは?キャッチコピーとの違い、有名企業の事例や具体的な作り方

タグラインとは?キャッチコピーとの違い、有名企業の事例や具体的な作り方

マーケティング・販促

企業や商品・サービスなどの価値や想いを消費者に端的に伝える短いメッセージがタグラインです。

タグラインを効果的に作成できれば、ターゲットに魅力を伝えやすくなるだけでなく、競合とも差別化しやすくなります。

この記事では、タグラインの意味やキャッチコピーとの違い・具体例についてわかりやすく解説します。あわせて、タグラインの作り方も紹介しますので、参考にされてみてください。

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タグラインとは?

タグラインとは、企業や商品・サービスなどの価値や想いを消費者に端的に伝えるための短いメッセージです。

企業のロゴ近くに掲載されていたり、ホームページのトップ・CMで企業名と一緒に出てきたりするので、タグラインとは分からなくても「このフレーズは知っている」となる方は多いでしょう。

タグラインの意味

タグライン(tagline)は、つけ札やレッテルを意味する「タグ(tag)」と一筆・一節を意味する「ライン(line)」をあわせた言葉で、直訳すると「識別のための一筆」です。

その名の通り、短いフレーズだけで「○○」といったら「○○」と、企業や商品をイメージできます。 例えば、「カラダにピース。」というタグラインをと聞けば、ほとどんどの人が「カルピス」をイメージするでしょう。さらに、このフレーズでは「体にいいもの」であることもイメージできます。

このように、タグラインは企業や商品のもつ普遍的な価値や想いを消費者に分かりやすく伝えるものです。また、タグラインが認知されることで、企業や商品のブランドを構築でき、競合との差別化にもつながります。

タグラインとキャッチコビー・スローガンの違い

タグラインと混同しやすい言葉に、キャッチコピーやスローガンがあります。いずれもブランディングを行ううえで重要なものですが、役割が異なっているので注意しましょう。

タグラインとキャッチコピーの違い

キャッチコピーも、「企業や商品の価値や想いを短い言葉で消費者に伝える」という点はタグラインと同じですが、「消費者の興味を引く」ことが目的です。

キャッチコピーは「キャッチ」の名の通り、消費者の心をつかみ商品やサービスを購入してもらうための、販売促進に使われる言葉です。キャンペーン期間や新発売時などに比較的短期間で使われることが多くターゲットや時期によってキャッチコピーのフレーズが変わることもあります。

一方、タグラインは中長期的に企業や商品の価値を消費者に伝える言葉です。時期やターゲット・トレンドに応じて使い分けられるキャッチコピーと異なり、それらの要因に左右されずに、一貫して使われ続けるのがタグラインといえます。

タグラインとスローガンの違い

スローガンは「企業の思いや価値・使命を伝える」言葉という点はタグラインと同じですが、どちらかというと社内に向けた言葉です。企業理念やモットーを主に示しており、消費者に向ける場合でも消費者への約束事や使命の明確化としての役割が強くなります。

なお、タグラインはステートメントとセットで示されるケースが多いものです。
ステートメントとは、タグラインを補足する文章のような長めのメッセージのことをいいます。タグラインとステートメントを合わせることで、企業や商品そのものの価値を伝えるベースとなるのです。

ただし、タグライン・キャッチコピー・ステートメントを明確に区別せず、すべての役割を兼ねるようなフレーズを用いているケースもあります。

有名企業のタグライン具体例

有名企業の多くが、企業や商品イメージを打ち出すためにタグラインを活用しています。
ここでは、実際にどのようなタグラインがあり、どんな意味が込められているのか具体例を紹介していきます。

カルピス 「カラダにピース。「カルピス」」

からだにピース。は乳酸菌飲料カルピスブランドのタグラインです。

機能性の高さや体へのやさしさで飲料として身体にpeace(平和)であることを表現しています。さらに、カルピスを飲むことでピースフルになるというイメージを与えることが可能です。

マクドナルド「i'm lovin' it」

「i'm lovin' it」はマクドナルドが2003年から世界統一で使用しているタグラインです。

テレビCMの印象的なサウンドとともにイメージする方も多いでしょう。「私のお気に入り」という意味を持ち、ファーストフードとしての親しみやすさや身近に寄り添う存在であることが分かりやすく表現されています。

ライザップ「結果にコミットする。」

ボディメイクサポートを行うライザップの「結果にコミットする」には、「必ずお客様の叶えたい身体に向けて、結果にコミットすること。」という約束が込められています。

また、このタグラインはビフォーアフターでおなじみのCMと一緒にユーザーに届けることで、より説得力を高めることにも成功しているといえるでしょう。

kubell (旧Chatwork)「シゴトがはずむ」

ビジネス向けチャットツールを提供するkubell (旧Chatwork)のタグライン「シゴトがはずむ」は、2021年のリブランディングの一環として作成されたものです。

このタグラインには、コミュニケーションツールの活性化により、会話がはずむように仕事もはずませたいという想いが込められています。ちなみに、kubellはコーポレートミッションとして「働くをもっと楽しく、創造的に」を掲げています。kubellの実現したい世界への想いが込められていることが分かるタグラインです。

ツインバード「せんぶはない。だから、ある。」

家電メーカーであるツインバードでは2020年に「せんぶはない。だから、ある。」というタグラインを打ち出しています。また、タグラインには「ツインバードは、だれもが知るブランドではありません」から始まるメッセージも添えられています。

大手家電メーカーに比較すると知名度も規模も異なりますが、だからこそできるものづくりがあるということが伝わってくるタグラインです。

アイプリモ「あなたの最高になりたい」

日本生まれのブライダルリング専門店であるアイプリモ(I-PRIMO)。 2024年の創業25周年にあたり新たに作成したタグラインが「あなたの最高になりたい」です。

このタグラインには、お客様にとって最高になりたいという願いや結婚を迎える人のパートナーにとって最高でありたい、またリングそのものの願いとして「相手を想う気持ち」が表現されています。
ブライダルリングという幸せの手伝いをする会社としての想いが込められたタグラインといえるでしょう。

ロフト「手帳に書かない、たいせつな時間」

雑貨専門店として人気の高いロフトが、2023年に36周年を迎えるのに合わせて作成したタグラインが「手帳に書かない、大切な時間」です。

また、この際には次世代ロフトの企業価値創造として経営理念「雑貨のチカラで新しい生活価値を創造する。」ビジョン「雑貨文化のプロデュースカンパニー」と4つのミッションも発表されています。

タグラインには、「なんでもないけれど一番大切な、ありふれた日常の幸せのために雑貨を通してお客様に寄り添いたい」という願いが込められており、タグラインとメッセージコピーで企業理念のイメージを伝えています。

ぺんてる「Reimagine your world」

文具メーカーぺんてるのタグライン「Reimagine your world」には「もう一度、世界を描こう。」という意味が込められています。

「ありのままに、自らの世界を描くことが、明日の世界を創造していく」という想いが込められており、想いをかたちにできる道具を作り続けてきた企業としての役割を示しているタグラインといえるでしょう。

エイベックス「Really! Mad+Pure」

日本大手の音楽会社であるエイベックスのタグラインが「Really! Mad+Pure」です。

他人から「おかしいんじゃないの?(Mad)」と思われることも真摯(Pure)に追い求め、世の中にマジで!?(Really!)を届け続ける集団であることを伝えており、エンタテインメントで感動を届ける会社としての姿勢が伝わります。創業者の「業界の常識はエイベックスの非常識」と挑戦を続けてきた精神も受け継いでいるタグラインといえます。

ANA「Inspiration of JAPAN」

ANAならではのブランド価値が込められたタグラインが「Inspiration of JAPAN」です。

誠実さや謙虚さ・礼儀正しさ・丁寧さといった日本のこころを大切にするANAだからできる、安全で正確な運行。さらには、新しい日本を作り創り出す気概で挑戦し作り上げてきた自由で魅力的な空。
そんなANAの空の旅でしか体験できない感動を世界中の人に届けていきたいという想いが込められています。

また、世界を飛び回る航空機にもこのタグラインが記載されており、日本を代表する航空会社であることを世界にアピールすることにもつながっているのです。

大阪・関西万博「ぜんぶのいのちと、ワクワクする未来へ。」

タグラインは企業や商品だけでなく、イベントなどでも活用されます。
「ぜんぶのいのちと、ワクワクする未来へ。」は2025年に行われる大阪・関西万博のタグラインです。

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる大阪・関西万博で得られる体験や感動を伝えることを目的として作成されました。

タグラインの作り方

タグラインがあることで企業やブランドを魅力的にユーザーにアピールできます。とはいえ、タグラインは企業やブランドの印象を大きく左右するため安易に作成するのはおすすめできません。

商品やブランドに込められた想いを凝縮しつつ、ユーザーの心に響くタグラインを作る必要があるのです。ここでは、効果的なタグラインを作るうえで押さえておきたい以下の3つを紹介します。

  • 企業やブランドのビジョン・ミッションを整理する
  • 伝えたいことを言語化する
  • 表現を精査する

企業やブランドのビジョン・ミッションを整理する

タグラインの土台となるのは、企業やブランドのビジョンやミッションです。タグラインはきれいな言葉を並べただけでは意味がありません。ユーザーの心に響くためには、そこに込められた想いが重要になってくるのです。そのため、まずは、企業やブランドがどのような将来を見通しているのか、使命や理念を持っているのかを明確にしていきましょう。

伝えたいことを言語化する

ビジョン・ミッションが明確になったら、伝えたいことを言語化しましょう。
言語化する際には、下記のように企業・ブランドの強みや業界におけるポジションを意識することが大切です。

  • どのような価値を提供できるのか
  • どんな問題を解決してくれるのか

また、ターゲットが誰で・どのようなニーズを持っているのかも把握しておく必要があります。 ターゲットや提供する価値・強みなどから、タグラインに取り入れたい要素を言語化していきましょう。

表現を精査する

言語化したタグラインの候補を精査していきタグラインを決定します。精査する際には、以下のポイントは押さえておきましょう。

  • 価値や意図が明確に伝わる言葉である
  • 短いメッセージでシンプルに伝える
  • なじみ深く覚えやすい言い回しを使う
  • 独自性を持たせる

タグラインは、短い言葉で分かりやすく価値を伝えるものです。長々とした文章は印象に残りにくく、伝わりにくくなるので、シンプルで直感的に理解してもらえるような言葉を選ぶとよいでしょう。
また、ターゲットにイメージしてもらいやすい言葉であることも重要です。

タグラインは、企業やブランドの魅力を伝える大切なポイントになります。タグラインによってユーザーがもつイメージも大きく変わってくるため、慎重に精査して効果的なタグラインを作成するようにしましょう。

タグラインをブランディングに活用しよう

ここまで、タグラインの意味やキャッチコピー・スローガンとの違い、実例、作り方などを解説しました。タグラインは企業やブランドの価値を伝える重要なものです。タグラインを効果的に作成できれば、ターゲットに魅力を伝えやすくなるだけでなく競合との差別化もしやすくなります。この記事を参考に、タグラインをブランディングの一つの方法として活用していきましょう。

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