パンフレットとリーフレットの違いとは?それぞれの特徴と用途を解説
マーケティング・販促
ビジネスシーンではさまざまな印刷物が使われます。なかでもよく目にするのが、パンフレットとリーフレットです。これらは同じようにも思えますが、明確な定義があり、特徴、用途も異なります。自分が作りたい印刷物にはどの形態が適しているのかを判断するには、まず互いの違いを知ることが大切です。この記事では、パンフレットとリーフレットの基本的な知識とそれぞれの違い、適切な用途について解説します。
- 目次
- 1. パンフレットとは
- 1-1. パンフレットの特徴
- 1-2. パンフレットの用途
- 2. リーフレットとは
- 2-1. リーフレットの特徴
- 2-2. リーフレットの用途
- 3. パンフレットとリーフレットの違い
- 4. チラシ、カタログとの違い
- 4-1. チラシとは
- 4-2. フライヤーとは
- 4-3. カタログとは
- 4-4. ブックレットとは
- 5. それぞれの違いを知り、目的や用途に合わせた選択を
パンフレットとは
パンフレットは、複数のページを中とじ(中央をホチキスや針金でとじる)で簡易に製本する印刷物です。
パンフレット(Pamphlet)とは、英語で小冊子を表す言葉。ユネスコは、出版統計の国際的な標準化に関する勧告のなかで、パンフレットを「表紙を除いて5ページから48ページまでのもの」と定義しています。
パンフレットの特徴
パンフレットでは、ハードカバーの製本や背表紙の付いた装丁はしません。しかし必要に応じてページ数を増やせるため、ボリュームのある情報や多様な情報を掲載することができます。読み捨てではなく、手元に長く置いて読まれることを想定して作られることの多い形態です。
パンフレットの用途
パンフレットはさまざまな用途で作られます。代表的なものをいくつかご紹介します。
会社案内
会社案内は企業を総合的に紹介する小冊子で、会社概要、沿革、経営理念、事業内容といった複数の要素で構成されるのが一般的です。
入学案内や学校案内、公共施設や病院などの施設案内も、それぞれの概要や機能、特徴といった要素を並べて紹介するという点で、同じタイプのパンフレットと言えます。
製品パンフレット
1~数アイテムの製品にフォーカスを当て、スペックや製品のコンセプト、機能の詳細、用途提案といった情報を紹介する冊子が製品パンフレットです。営業のプレゼンや展示会、商品発表会で配布されたり、ショールーム・店頭に設置されたりして、製品の詳しい説明に使われます。
製品パンフレットでは、多くの場合、製品やブランドのイメージに合ったビジュアルや質感が求められます。例えば、高級車のパンフレットでは、高級感や重厚感のある写真やデザインが採用され、紙質も光沢のある厚めのものが選ばれることが多くあります。
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カタログパンフレット
商品を紹介するカタログをコンパクトにしたものが、カタログパンフレットです。特定の商品ジャンルや顧客層を限定し、商品数を絞って掲載します。店頭設置や手渡しのほか、薄いので郵送もされます。
家電店にあるジャンル別のパンフレットや、シーズンギフトに特化した通販の小冊子をイメージすると分かりやすいかもしれません。
広報誌・会報誌
広報誌は、企業や団体が、顧客や市場、地域の人たちに向けて制作・発行する冊子です。自社の活動や社会貢献への取り組みなどを広く伝えることを目的としています。会報誌も会員・顧客を対象に発行する冊子ですが、主に会員との関係構築が目的です。
広報誌・会報誌は、自社の魅力や企業の想いをユーザーに届け、理解を得ることでブランド価値の向上につなげる、ブランディングツールとして活用できます。
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周年誌・記念誌
創業〇周年や偉業の達成といった節目や祝い事を記念して発行される冊子です。長く保存してもらい、あとからその出来事を振り返ることができるような作りにします。
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リーフレットとは
リーフレットは1枚の紙を折ることによって、複数のページを作る印刷物です。二つ折り・三つ折り・蛇腹折りといったさまざまな折り方があります。
1枚の紙の裏表のみを使うため情報量は限定されますが、折り方に合わせて、掲載内容や項目を分けて使うのが一般的です。折りを多くするほど情報を分けられますが、複雑になりすぎるとその良さが失われてしまう可能性もあります。
リーフレット(leaflet)は、Leaf(葉)に小さいことを表す接尾辞letが付いた英語で、「小さい葉っぱ」を意味します。
リーフレットの特徴
リーフレットは、実用的な情報をコンパクトにまとめた冊子で、パンフレットよりも気軽に手にしてもらえる特徴があります。小さいので、バッグやポケットに入れて持ち歩きやすく、携帯にも便利です。
また、パンフレットよりも短期間で安価に制作できるため、頻繁に情報を差し替える資料に適しています。
リーフレットの用途
リーフレットの代表的な用途を挙げてみます。
対象や目的を絞った商品・サービス紹介
商品・サービスの対象や目的に合わせて分冊すると、必要な情報を欲しい人に端的に伝えることができます。自分に合った冊子を選んで持ち帰りやすいというメリットもあります。
例えば、犬用ペットフードのリーフレットには、子犬用、成犬用、高齢犬用といった対象別のフードについて、それぞれの成分や用途を説明したものがあります。動物病院の待合室に設置しておけば、飼い主が選んで持ち帰ってくれます。
また、会社案内のパンフレットと採用に特化したリーフレット、病院案内のパンフレットと入院案内のリーフレットというように、総合的な情報を載せるパンフレットとより実用的な情報を伝えるリーフレットを、セットにして渡すこともあります。
観光地、テーマパーク、ショッピングセンターなどの施設案内
バッグやポケットに入れて持ち歩きしやすいリーフレットは、観光地やテーマパーク、ショッピングセンターなどの施設案内にも使われます。歩きながらすぐに開いて確認できるように、見開きの広いスペースに案内マップを入れているものが多くあります。
イベント、キャンペーン、サービスメニューなどの案内
イベントやキャンペーンといった短期間の催しのガイドにも、リーフレットが使われます。各種のサービスメニューや価格表のように、情報の差し変えが比較的多い場合に重宝されます。こうしたリーフレットは、イベント会場、店頭などで配布や設置をして、チラシ代わりに配られることもあります。
パンフレットとリーフレットの違い
パンフレットとリーフレットの大きな違いは、枚数(ページ数)の差です。パンフレットは複数の紙をとじるのに対して、リーフレットは1枚の紙で作られます。
紙の枚数が違えば掲載できる情報量が変わります。パンフレットには、総合的かつ多角的な視点で情報を掲載することが多く、保存性も意識します。デザインや紙質を工夫して、ブランドのイメージを表現することも可能です。
一方、リーフレットの情報量は限定的です。そのため、必要な情報をコンパクトにまとめることが必要で、多くの場合、実用性が重視されます。携帯性に優れ、持ち帰りやすい一方で、使い終われば捨てられることも多い形態です。
チラシ、カタログとの違い
情報を伝える印刷物には、ほかにもチラシやフライヤー、カタログ、ブックレットといったものもあります。最後に、それらとパンフレットやリーフレットとの違いを説明します。
チラシとは
チラシは1枚の紙をそのまま使う印刷物です。情報量を増やしたいときは、スーパーや家電量販店のチラシのように情報を詰め込み、紙のサイズを大きくします。
大きいサイズのチラシは2つか3つに折りますが、リーフレットのように折りによってページを作ることはありません。もちろんパンフレットのようにとじることもありません。
チラシの語源は「散らし」と言われ、まき散らすものというイメージがあったようです。現在も、さまざまなチラシが大量に印刷され、不特定多数に配布されています。大量に印刷するチラシは、リーフレットよりも薄い紙を用いてコストを抑えるのが一般的です。
フライヤーとは
フライヤー(flyer)はチラシを意味する英語です。フライヤーとチラシとの間に形状の違いはなく、紙の大きさにも決まりはありません。
ただし、コンサート会場や映画館、イベントなどで配布する1枚ものの印刷物をフライヤーと呼び、新聞折り込みやポストインでまかれるチラシと区別することもあります。
カタログとは
カタログは、商品やサービスのラインナップを掲載する一覧性の高い冊子です。情報を網羅するためにパンフレットより厚み(ページ数)があり、多くの場合、表紙を付けて製本します。
カタログはパンフレットに比べると重いため、手渡しや持ち運びには不向きです。制作コストもかかるため、不特定多数に広く配るというよりは、ショールームへの設置や、取引先や見込み客への限定的な配布を想定して作ることの多い冊子です。
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ブックレットとは
ブックレットは、判型が小さく、ページ数の少ない製本した冊子です。表紙は付きますが、さほど厚みがないものが主流です。パンフレットに比べると読み物としての性格が強く、単体で販売されるものもあります。
内容は多岐にわたりますが、CDに付いている厚いライナーノートや電化製品の取扱説明書、自動車の解説書などもブックレットに該当します。
それぞれの違いを知り、目的や用途に合わせた選択を
パンフレットとリーフレットの違いは、使われている紙の枚数です。ただしこの違いによって特徴や用途が変わります。その場で見て活用してほしいのか、持ち帰ってじっくり読んでほしいのかによっても、選択すべきものが変わります。まずは、それぞれの違いを知っておきましょう。そのうえで、目的や用途、伝えたい情報量をもとに、制作期間や予算も考慮しながら、適切な形態を選ぶことが大切です。
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