社内報とは?目的や読まれるポイント、コンテンツ例18選を紹介

社内報とは?目的や読まれるポイント、コンテンツ例18選を紹介

マーケティング・販促

社内報は、企業のトップや経営陣と社員、そして社員同士のコミュニケーションを深め、経営ビジョンや企業理念を浸透させることができる社内向けのメディアです。社内報を制作する際は、そうした役割を十分に理解し、目的意識を持って取り組む必要があります。

この記事では、社内報に関する基礎的な知識、制作の流れやポイント、成功事例を解説します。また、社内報で使えるコンテンツ例18選もご紹介しますので、ネタ切れ防止にもお役立てください。

6つのポイントで伝える 社内報コンテンツ例

 

社内報とは

社内報は、社内広報のひとつとして、社員に向けて定期的に発行する媒体のことを言います。一般的には、企業の経営方針や目標、現在の取り組み、部署や社員の紹介などを掲載します。

社内報を活用することにより、「経営方針が浸透しない」「情報共有がうまくいかない」「社内に一体感がない」といった企業が抱える課題の解決が期待されます。

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社内報を発行する目的

社内報を発行する目的はひとつではなく、何に重点を置くかは企業によって異なります。一般的な社内報の目的をご紹介します。

経営理念や企業ビジョンの共有・浸透

社内報は社員全員が閲覧可能であるため、日頃経営層と話す機会があまりない社員に対しても、想いやメッセージを効果的に伝えられます。社内報の中でトップが経営理念・ビジョンを分かりやすく示すことにより、社員の理解と行動を促します。


自社の現状把握

業績や経営状況、重点戦略、行動指針など、社員として知っておくべき情報を提供します。図表などを用いることで、視覚的に分かりやすく伝えることが可能です。


社内情報の共有

新製品・サービス、社内の取り組み、社内イベント、専門知識や事例といった、業務の遂行に役立つ情報を共有します。地理的に離れたオフィス間でも情報を共有することで、全社的な一体感を醸成することができます。


社内コミュニケーションの活性化

各部門のトピックスや社員の活動紹介などのコンテンツを発信することで、他部署の業務内容への理解が深まって連携が強化されるほか、社員同士の会話のきっかけとなります。


社員のモチベーションアップ

部門や個人の業績紹介、褒賞や資格取得などの成果を出した社員の発表を行うことで、意識改革やモチベーションの向上につなげます。


コンテンツ例

社内報で使えるコンテンツ例18選をジャンル別にご紹介します。


会社への理解を深める

  • 社長・経営者のインタビュー
  • 社長・経営層によるコラム、エッセイ
  • 社長と社員による座談会
  • 経営計画の解説記事

自社の製品や事例、仕事に役立つノウハウを学ぶ

  • 社長・経営者のインタビュー
  • 新事業の紹介、開発部署へのインタビュー
  • 新製品、新サービスの紹介
  • 成功事例、ヒット商品の開発裏話
  • 業界トピックスの勉強会
  • 仕事の効率化、アイデア、ノウハウの紹介

他部署の業務内容や社員の人柄を知る

  • 各部門の取組み紹介
  • 社員の一日を取材・レポート
  • 社員が今はまっている「おすすめ」を紹介
  • 異なる部署同士の座談会
  • 20~30代の活躍する社員の紹介
  • 社員によるリレーエッセー
  • ペット紹介

社員参加型で楽しむ

  • パズル・ゲーム
  • 川柳

ご紹介した以外にも、社内報に掲載するさまざまなコンテンツが考えられます。下記の無料eBookでご紹介していますので、ご活用ください

6つのポイントで伝える 社内報コンテンツ例

社内報の媒体

社内報の媒体には、印刷をして配布する紙媒体の社内報(広報誌)と、イントラネットやSNSを活用するWeb社内報の2種類があります。最近増えている、紙とWebを併用するパターンも併せてご紹介します。

紙の社内報

メリット

紙媒体はデバイスも不要で各部署内で配布されるため、手に取ってじっくりと全体を読んでもらいやすいという利点があります。また、そのまま自宅に持ち帰って家族に渡すこともできます。紙面が広く使えるため、デザインやレイアウトの自由度が高いのも特徴です。

デメリット

原稿作成から印刷、製本までを行うため、作業工数が多く、発行コストが高くなる傾向があります。発行までの時間的な制約もあり、情報鮮度が落ちるのは避けられません。社員の反応がつかみにくい、印刷後の修正ができないといったデメリットもあります。

Web社内報

メリット

常に情報の鮮度を保て、リアルタイムで修正ができます。閲覧済みボタンやいいね!ボタンを設置すれば、社員の閲覧状況や反応を確認することも可能です。過去記事も含めてキーワード・カテゴリ検索ができるのであとから情報を探しやすい、動画や音声など動的コンテンツが活用できるといったメリットもあります。

デメリット

社員が自らの意志で、画面を開いて見る必要があります。社内報自体が閲覧されない、興味のない記事は見落とされるといった可能性もあります。また、発行コストは抑えられますが、更新頻度が高い場合は担当者の負担が大きくなります。

紙とWebの併用

最近では、それぞれの長所短所を生かして、紙とWebを併用するケースも多く見られます。併用することにより、紙媒体は発行頻度を下げてじっくり読める記事や家族にも伝えたい記事を、Webではタイムリーなお知らせや業務に使える事例を頻繁に更新するといった使い分けが可能です。また、紙の社内報からWebに誘導することで、より新しい詳しい情報を伝えることもできます。

 

社内報制作の流れ

社内報を新しく作る、またはリニューアルをするといったときに、まず行うべきことは編集方針の決定です。そのうえで半年や1年といった一定期間を通して展開する企画を立案します。そこから号ごとの具体的な制作作業に入ります。

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編集方針と企画の立案

新たな社内報の発行目的を明確にし、編集方針を決める

発行の目的と編集方針を具体的に決めます。まずは経営トップや各セクションの長へのヒアリング、社員へのアンケートを行って、自社の課題を抽出。その課題を解決するために社内報が果たすべき役割を考え、発行の目的を明らかにします。そして、目的を果たすためにはどんな社内報にすべきか、編集方針を策定します。

連載や特集といった毎号掲載する企画を決める

半年単位、1年単位で企画を立案します。連載する記事やコラムの枠組みを決めるほか、自社の年間事業計画や季節ごとのトピックスをもとに、各号の特集テーマを決定します。

デザインの方向性を決める

全号を通じたデザインのトーン&マナーや、縦書きか横書きか、どんなフォントを使うかといった基本となる記事のレイアウトを決めます。

当該号の企画の立案

当該号の特集記事や連載記事の詳細な内容、執筆の依頼先や取材先を決めます。内容が編集方針とぶれないように、その都度確認をしながら進めていきます。

スケジューリング

制作会社、印刷会社といった業務の委託先と相談し、発行日から逆算して制作工程を組み立てます。ライター、カメラマン、デザイナーなどの外部スタッフを使う場合は、早めにスケジュールの調整をしておきます。

スケジュールを作る際は次のような項目の設定が必要です。

・原稿作成(依頼)期間

・原稿の締切日/入稿日

・初校~再校の各日程と確認期間

・校了日

・発行日(納期)

記事執筆・取材の依頼

取材先や原稿の執筆を依頼する相手に連絡し、企画主旨や依頼内容、締め切りなどを伝えます。誌面に必要な写真撮影やイラスト作成、デザインを依頼する場合には、スケジュールに合わせて発注します。

原稿作成・整理

インタビュー、原稿の執筆、撮影およびビジュアル素材の収集を進めます。取材原稿の書き起こしのほか、依頼原稿のチェックとリライト、原稿とビジュアル素材の突き合わせといった整理作業を行います。

入稿データ作成

レイアウトに原稿を流し込み、誌面のバランス調整と校正を行って、入稿データを作成します。シンプルなデザインであれば自社でレイアウトを組むこともできますが、デザイン性を求める場合はデザイナーや制作会社に依頼をする方が安心です。

校正をするときは編集担当だけでなく、執筆者や取材先にも確認をしてもらいます。初校、再校と複数回確認をし、直し漏れのない完成したデータを入稿します。

印刷・納品

印刷所にデータを入稿し、最終校正を経てOKが出れば印刷に入ります。さらに製本作業を行って、納品となります。

読まれる社内報制作のポイント

読まれる社内報を作るために工夫したいポイントを紹介します。

一方的な告知にしない

トップダウンの一方的な内容でなく、社員が主体的に読みたくなる内容を目指します。親しみを感じてもらうには、参加性のある「お楽しみ」や「気になる」コンテンツもおすすめです。

なるべく多くの社員を登場させる

役職者だけでなく現場の社員にスポットを当て、できるだけ多くの人を紹介すると、「自分ごと」として読まれるようになります。社内での取材を増やして、リアルな声を届けることが大切です。

読みやすさを意識する

極力文字を減らし、写真・イラストなどを活用しましょう。分かりやすく平易な表現になるよう心がけることも大切です。

社員の反応を測定する

アンケートの実施などで、内容や発信方法に対する意見・感想や、社内に与えている影響を確認しましょう。結果をふまえ、改善していくことが重要です。

社内報の成功事例

ユーモアとクリエイティブな表現で企業カルチャーを体現〔マクロミル〕

株式会社マクロミルの「ミルコミ」は、「マクロミルの“リアル”を伝える」をコンセプトとして、創業当初より発行されている社内報です。同社は企業文化の醸成のためのインターナルコミュニケーション活動に注力しており、企画からデザインまで全て社内で行っています。「ミルコミ」は「ユニーク・ユーモア・クリエイティブ」を大切にする企業文化を体現した良質なコンテンツが評価され、2022年、2023年の2年連続で「社内報アワード」グランプリを受賞しました。

社員の自宅と実家に配送し、会社の「表情」を伝える〔グリー〕

IT企業であるグリーは、あえて紙の社内報「ジーマガ」を発刊し、社員の自宅はもちろん、希望する社員には実家などへも追加で発送。会社を支える社員のみならず、その大切な家族にも企業の理念や会社の状況、社員が働く様子を伝え、理解してもらうことが目的です。配送する封筒にもこだわることで社員の家族に好印象を与え、「離れて暮らす子どもの働きぶりが分かって嬉しい」といった感想が寄せられました。

従業員参加型で社内のコミュニケーションが活性化〔カルビー〕

菓子メーカーのカルビー株式会社では、Webの社内報に従業員が気軽に参加できるよう工夫しています。例えば、社長や会長が自身で書くブログに「いいね」やコメント(匿名可)を付けられるようにしたことで、経営層と社員のコミュニケーションが活性化。また、社内の大きなイベントから従業員の日常的な出来事まで発信することで、自然とさまざまな情報が集まるようになり、情報発信のみならず、議論やつながりを生み出す場となっています。

読まれるための工夫と目的に合った社内報作りを

良い社内報は、経営ビジョンや企業理念を社員に浸透させて、社員と企業の絆を強めます。また、社内の一体感や風通しの良い風土を育む役割も果たします。そうした社内報を作るには、編集方針に沿った企画と、多くの社員が手に取って読みたくなるような工夫が必要です。これから制作を開始する、あるいは既存の社内報を見直すという場合は、発行する目的をしっかり見据えて、社員みんなに愛される社内報を目指しましょう。

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