拡散を狙え!アメリカのプロモーション事例4選
マーケティング・販促
現代のプロモーションは、顧客からの反響や情報の拡散具合を解析するため、WEBサイト、SNS、スマホアプリなど直接・間接的にインターネットを利用することがほとんどです。
そこで、日本でも身近な商品や話題を扱ったアメリカのプロモーション事例を、分野別に4つ厳選してご紹介しましょう。
総合プロモーション:音声認識アプリを活用
コカ・コーラが、音声認識アプリ「Shazam」を利用した「コカ・コーラZERO」のサンプリングキャンペーンを実施しました。
Shazamは、2016年に全世界で10億ダウンロードを超えた音声認識アプリです。アプリを起動し、テレビやラジオから流れてくる音楽を認識させると、曲名やアーティスト名などの楽曲情報が分かるというものですが、このアプリの機能を使った施策です。
まず、「コカ・コーラZERO」が冷えたグラスへと注がれるTVコマーシャルをShazamに認識させると、ユーザーのスマホ画面にも「おいしそうなコーラが注がれる動画」が再生されます。最終的には1本無料のクーポン画面が表示されるので、主要な小売店に行き、それを見せれば商品がもらえるという仕掛けです。この事例は、O2O2O(オンエアto オンラインtoオフライン)施策といえるでしょう。
屋外では「飲める広告」と題し、同じくShazamを利用して「コカ・コーラZERO」が減っていく様子をスマートフォンと連動させるデジタルサイネージも展開されました。広告の前で映像上の「コカ・コーラZERO」を全部飲みきる動作をすると、サンプルが提供されます。
そのほか、切り取るとカップになる広告を雑誌に添付し、屋外でストロー付きのチラシを配布、SNSで拡散するとオンラインクーポンが手に入るという複合的なプロモーションや、昔懐かしいネオン管に見立てた看板に本物の「コカ・コーラZERO」の注ぎ口を装着した看板を設営したりするなど、大々的な仕掛けを行っています。
関連リンク:O2Oの進化系O2O2Oとは?
屋外広告:「ポケモンGO」に便乗した、ながら運転防止の啓発キャンペーン
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」が世界中で大ヒットしています。日本国内では少し落ち着いたようですが、キャラクターやイベントは追加されており、今でも町中でポケモンを探して歩く人を見掛けますね。
「ポケモンGO」は町のどこにモンスターが出現するか分からないので、モンスターに出会うために町中を動き回る必要があります。なかなか見つけられないレアキャラが出現したらと思うと、スマートフォンから目が離せません。そのため、自動車を運転しながら「ポケモンGO」をプレイしていたことが原因の事故が問題になったこともあります(現在では、ある速度を超えて移動するとプレイに制限がかかるようになっています)。
そこに目を着けたのが、アメリカの自動車保険会社「Esurance」。2016年9月に「ポケモンGO」に似せたオリジナルキャラクターを使用した「Don't Catch and Drive(捕まえながら運転しない)」キャンペーンを実施しました。
ユニークなのは、啓発動画だけでなく、屋外での広告展開に広げている点です。町のホットドッグカートの脇に車が突っ込み、カートを壊してしまったといった事故現場を役者や道具を使ってリアルに再現。通行人を驚かせるも、現場の路面にハッシュタグが書かれていて、広告と分かって思わずシェアしたくなるような仕掛けです。
プロモーションイベント:リアル貞子が襲ってくる?映画の公開告知
1998年に日本で公開され大ヒットした映画「リング」。見た者を1週間後に呪い殺すと言い伝えられた「呪いのビデオテープ」の謎を解くホラー映画で、海外のジャパニーズホラーブームの火付け役となりました。ビデオに映っている白服で長い黒髪の女「貞子」が特徴的なキャラクターとして有名です。
「リング」はアメリカでリメイクされ、2017年2月にはシリーズ最新作「Rings」が公開されました。それに先立ち実施された、セットを使ったいたずらのプロモーションイベントがこちらです。
小さな電気店を改装し、最新テレビを壁にディスプレイしたセットを作成。店員が来店客に商品の説明をしているのですが、その途中で「Rings」の予告映像が映し出されます。そして、まるで映画のワンシーンのように、本当に貞子(ハリウッド版では「Samara」)が黒髪を垂らしながらテレビの枠の中からずりずりと這い出てくる、という仕立てです。来店客は悲鳴をあげて逃げ出す、というドッキリです。
その一部始終を収めた映像は、YouTubeで大きな反響を呼びました。
SNSとOOH:あなたも有名人!Facebookと屋外広告の連携
繁華街にある大型ビジョン。普段はOOH(Out Of Home media)として広告が出稿されていますが、家族へのメッセージや恋人へのプロポーズ映像が流れる場合もあって、つい注目してしまいますね。この大型ビジョンとSNSを連動したプロモーション事例をご紹介しましょう。
2011年のアメリカのビール市場は飲み口の軽い「ライトビール」ブームで、多くのビール会社がその流行に乗るべく新製品を続々とリリースしていました。Grupo Modeloが製造する日本でもおなじみのビール「Corona(コロナ)」のライト版、「Corona Light」もそのうちのひとつでした。そこで、よりインパクトのある広告を仕掛けるため、Facebookと屋外広告を連動させたプロモーションを実施しました。
「Corona Light」のFacebookページに「いいね!」をすると、ニューヨークのタイムズスクエアにある40フィートの大型ビジョンに、Facebookユーザーが設定したプロフィール写真が表示されるというシンプルな仕立てです。Facebookページのフォロワー数はプロモーション実施後瞬く間に伸び、2カ月後には20万人を突破。大型ビジョンに表示された様子を撮影して投稿した記事や写真が「いいね!」を呼び、さらに拡散されるという相乗効果を生みました。
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