ニューノーマルとは何か?新しい時代の働き方とその課題、事例を紹介

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新型コロナウィルス感染症の世界的流行は、私たちの暮らしや働き方に大きな影響を与えました。そして現在、多くの企業では「元に戻す」のではなく、コロナ禍で生まれた新しい働き方を前提とした「ニューノーマル」を積極的に取り入れています。この記事では、主に働き方の視点からニューノーマルの意味やその変化、課題、そして新しい働き方の推進に取り組む企業の事例を紹介します。
- 目次
- 1. ニューノーマルとは何か?
- 2. ニューノーマル時代の働き方、職場の変化
- 2-1. オンラインを活用した非対面型の働き方
- 2-2. インサイドセールスの推進
- 2-3. テレワークの定着と柔軟な勤務体系
- 2-4. DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速
- 2-5. BCP(事業継続計画)の見直しと策定
- 3. ニューノーマル時代の働き方の課題
- 3-1. テレワーク環境の整備
- 3-2. セキュリティ対策の徹底
- 3-3. 勤怠管理、業務の見える化
- 3-4. コミュニケーションの強化
- 3-5. モチベーション管理
- 3-6. メンタルヘルス管理
- 4. ニューノーマルを推進する企業の事例
- 4-1. 最適な働き方を実現するための大胆で多角的な変革[富士通]
- 4-2. テレワークを前提としたオフィス再設計[ピクスタ]
- 4-3. 生産性が上がる働き方や場所を自ら選ぶ「マーブルワークスタイル」[ミクシィ]
- 5. ニューノーマルを前向きに捉え、企業の成長につなげよう
ニューノーマルとは何か?
「ニューノーマル(New Normal)」とは、New(新しいこと)とNormal(正常、標準、常態)を組み合わせた造語で、社会の大きな変化を受けて定着する新たな生活様式や意味を指す言葉です。直訳すると「新しい標準」となります。
過去には、2000年代初頭のインターネット普及や、2009年のリーマンショック後の経済変化の際にも使われました。現在のニューノーマルは、パンデミックをきっかけにした価値観や行動様式の変化を指します。特に働き方においては、テレワークの普及やオンライン営業、DXの推進が加速し、社会全体に浸透しつつあります。
ニューノーマル時代の働き方、職場の変化
オンラインを活用した非対面型の働き方
かつては「一時的措置」とされていたテレワークやオンライン会議は、今や当たり前の働き方として定着しています。接客業や介護など対面が求められる職種を除き、多くの企業で業務のオンライン化が進みました。
インサイドセールスの推進
インサイドセールスとは、見込み顧客のリストをもとに、メールや電話、オンライン会議システムなどを活用しながら、非対面で行う営業活動のことを言います。
従来のインサイドセールスは商談のアポイントを取り、フィールドセールス(営業)に引き継ぐ役割でしたが、コロナ禍以降は商談自体やクロージングもオンラインで行う形態へと変化しています。新規顧客や見込み顧客を獲得するための商品説明会や展示会、セミナーなどもオンラインイベントへと移行しています。
テレワークの定着と柔軟な勤務形態
在宅勤務やサテライトオフィスの活用など、柔軟な勤務体制が導入され、多様なライフスタイルに対応可能となりました。テレワークは、優秀な人材の確保や定着率の向上にも効果があります。以前は育児や介護などの事情で離職する人が多くいましたが、テレワークになると、それぞれの事情に合わせた柔軟な働き方が選択しやすくなります。
TOPPANクロレでは、テレワーク環境でも効率的な校正作業を実現する「Web校正」サービスを提供しています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術による生活やビジネスの変革を意味する言葉です。ビジネス分野では、デジタル技術とデジタルのビジネスモデルを使って組織自体を変え、業績を改善することを指します。
業務のオンライン化を阻むアナログな業務プロセス(紙の書類、ハンコ、対面承認など)は、DXによってデジタル化が進行。電子契約、ワークフローのオンライン化、クラウド活用がビジネスの新基準となっています。
BCP(事業継続計画)の見直しと策定
BCPはBusiness Continuity Planの略語で、事業継続計画と訳されます。火災や自然災害、テロ、大規模なシステム障害、そして感染症の世界的拡大といった危機的な事態が起きたときに、損害を最小限に抑えて業務を継続し、少しでも早く復旧するために、事前に立てておく計画や具体的な行動指針のことを指します。
BCPの策定では、業務のうち何を優先的に守るかを決め、起こり得るリスクを洗い出して頻度や深刻さをもとに順位付けし、実現可能な対策を決めます。こうした準備によって、いざというときに的確な判断とスピーディーな対応ができるのです。コロナ禍によって、多くの企業がBCPの重要性をあらためて認識し、策定や見直しを進めています。
ニューノーマル時代の働き方の課題
コロナ禍をきっかけとした働き方の変革ですが、準備や検討すべき課題がいろいろあります。
テレワーク環境の整備
社外で安定した業務を行うには、パソコンやネットワーク環境に加え、テレワークをスムーズに行うための業務管理・コミュニケーションツールの導入が不可欠です。
社内チャットツールやファイル共有ツール、スケジュール共有や承認ワークフローの機能を備えたグループウェアツールなど、必要に応じて検討しましょう。
セキュリティ対策の徹底
社外で業務を行うとセキュリティリスクが高まります。情報漏えいやウイルスの侵入、サイバー攻撃などのリスクが増加するため、システム上の備えは万全にする必要があります。さらに重要なのはテレワークをする社員の意識の向上です。特に個人情報や顧客データを扱う業務ではルールを徹底し、万が一事故が起きたときの対応も教育しておきましょう。
技術的対策と社員教育の両面から、セキュリティを強化することが大切です。
勤怠管理、業務の見える化
働き方が多様化する中で、成果を正当に評価するためには、勤怠管理や業務の進捗状況を可視化できる仕組みが必要です。業務時間や業務内容を毎日報告するといったルールを作ると、上司の目が届き、評価もしやすくなるでしょう。クラウドの勤怠管理ツールを導入すれば、勤務時間が正確に集計でき、残業や休暇の申請・承認もペーパーレス化できます。
コミュニケーションの強化
業務がテレワーク主体になると、社内のコミュニケーション不足が課題となります。定期的なオンラインミーティングを開く、チャットで気軽に会話できる環境を用意するといった、コミュニケーション量を意識的に増やす施策が必要です。
モチベーション管理
テレワークやインサイドセールスでは従業員の自己管理が重要ですが、社内のコミュニケーションが減ると、仕事へのモチベーションも下がりがちです。オンラインの個人面談を定期的に行って、目標を適切に設定し、評価を伝えるといった、上司からの積極的な働きかけが有効です。
メンタルヘルス管理
テレワークへの移行によって、ストレスを感じたり、孤独を感じたりする従業員は少なくありません。定期的なストレスチェックやアンケート調査を行って、従業員のメンタルヘルスの状況を把握し、早めに対策を講じるようにしましょう。
ニューノーマルを推進する企業の事例
ニューノーマルを、自社を前進させる機会ととらえ、積極的に働き方を変えている企業もあります。最後にそうした事例を紹介します。
最適な働き方を実現するための大胆で多角的な変革[富士通]
富士通株式会社では、DX企業への変革を加速し、生産性を高めながらイノベーションを創り続けるためとして、働き方の大胆な変革を進めています。
最適な働き方を実現するために、コアタイムのないフレックス制や単身赴任者の自宅勤務への切り替えを実施。業務内容に合わせて、自宅やハブオフィス、サテライトオフィスなどから、自由に働く場所を選択できる制度も整備中です。
働き方の変化に対する従業員の声を随時吸い上げながら、社内カルチャーの変革に継続的に取り組んでいくそうです。
テレワークを前提としたオフィス再設計[ピクスタ]
ピクスタ株式会社では、コロナ収束後もテレワークが「主」、出社は「従」と定義し、オフィスを約3分の1に縮小しました。新しいオフィスは約120人の社員に対して席数が20。オンライン会議に使えるフォンブースのほか、出社した社員が気軽に会話できるスタンディングテーブルやフリースペースを設置しました。
また、オンラインが主だからこそ社員の交流を密にしたいと、オンラインのランチ会やお茶会を開いているほか、新メンバー専用のチャットを開設したり、社内ラジオを企画したりとさまざまな工夫を行っています。
生産性が上がる働き方や場所を自ら選ぶ「マーブルワークスタイル」[ミクシィ]
株式会社ミクシィは、出社とテレワークを混合させた働き方を「マーブルワークスタイル」と名付けて導入しました。その内容は、オフィス出社を基本としたうえで、テレワークは週3日までOKというもの。それぞれの働き方の良さを取り入れることを目指しています。
そして、出社する人と在宅勤務者が混在するなかでの働き方のガイドライン「マーブルワークスタイル6カ条」を制定。「その場にいない人に配慮したコミュニケーションをとる」「ONとOFFのメリハリを付ける」「リモートワークは成果を出す働き方の一つと捉える」といった指針は、より良い働き方のニューノーマルを模索する企業の参考になりそうです。
ニューノーマルを前向きに捉え、企業の成長につなげよう
ニューノーマルの本質は、制限ではなく「新たな選択肢の拡大」です。働く場所や時間にとらわれず、社員の能力を最大限に引き出す制度やツールの活用は、業務効率の向上やコスト削減、人材の多様化にもつながります。
自社の状況に合った働き方を見つけ、継続的にアップデートしていくことが、これからの企業成長の鍵となるでしょう。
こうした時代の変化に対応するためには、企業のプロモーションやマーケティング活動も時代に即した手法が求められます。TOPPANクロレでは、デジタルとリアルを融合したプロモーションの企画・運用もご支援しています。変化の激しい現代に合わせて、貴社の課題や目的に応じた最適なアプローチをご提案いたします。どんなことでも、お気軽にご相談ください。
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